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こんな感じ?ヴァンフォーレ甲府2021

 この間シーズンが終わったかと思っていたら、また新たなシーズンが始まるのです。早くない?
2021シーズンが始まる直前に今年のチームをまとめておきます。

今季のスカッド

 1枚目の図の通り。2019シーズンからチームの若返りを進め、今年のチーム平均年齢は26.9歳となります(2019年最終は28.3歳、2020年最終は27.7歳)。
今年は大卒選手が5人も加入。補強した選手も20代中盤が多くなりました。とはいえベテラン選手も加入し、三平選手、金井選手、有田選手の3人は今年加入したとは思えないほど馴染みに馴染んでいて、チームの雰囲気を最高にしてくれています。若い選手たちに明るく元気に、自分を出しやすい雰囲気であることでしょう。3人がチームに与える活力はシーズン中にも必要になってきます。
 2枚目の図をみると、23歳・26歳・31歳が多いことがわかります。年齢的に若手・中堅・ベテランとなり、バランス良く構成されています。

基本構成

今年もキャンプなどの情報をみるとベースポジションは3-4-2-1となります。
ただ、このまま攻め、守るではなく今季も昨年同様に相手を見て最適な立ち位置を取り続けるはずです。3-4-2-1をベースにボール保持時は4-3-3、ボール非保持は5-4-1が主な配置になると思います。特にボール保持時は4-3-3でも出ているメンバーの組み合わせにより動かし方は変わります。リベロの選手が1列前に出てアンカーのタスクを担い、ボランチの2人も前に出てインサイドハーフとして、シャドーの選手はタッチラインまで広がりウイングのタスクを担う山本型、最終ラインが左右のどちらかにスライドし、ボランチ、シャドーがそれとは逆にスライドする新井型の主な2パターンが今季も基本的な動かし方になると思われます。

ここから各ポジションで見ていきます。

GK

ゴールキーパーは河田選手、岡西選手、小泉選手。
岡西選手は昨年35試合先発の36試合出場し、1年間通してゴールを守り続けてきました。河田選手は昨年通してコンディションが整わず試合に関われずにいましたが、今季はキャンプの途中からTMの1本目にも出場したりなど競争のスタートラインに戻ってきました。
昨年の途中からキーパーもビルドアップに関わるようになり、足元の技術も必要になりました。ゴールを守るだけでなく、フィールドプレーヤーと同様なタスクを担う重要なポジションになります。河田選手、岡西選手がスタメン争い、小泉選手がその2人を追いかけるという形になると思われます。

CB/HV

センターバックは今津選手、中塩選手と主力が抜かれ、新たに浦上選手、北谷選手、新卒の野澤陸選手が加入しました。浦上選手はJ3でも多く出場していたり、大宮ユースで彰っ子なのでチームのやり方さえ理解出来れば戦力として期待できます。北谷選手は怪我が多いようで、今季の始動時も怪我でスタートを出遅れていたのですが、これから怪我なく1年間やってやれるかによります。個人的に注目は野澤陸選手です。まだプロのあらゆるスピードに慣れていなかったり、キャンプでも失点に絡むミスがあったりとまだまだの部分があるとは思いますが、久々の蹴れるCBとして期待大です。今いる選手だと山本選手がそうですが、最終ラインから1本で相手の最終ラインの背後や対角線へ速くて長いパスが蹴れる配球力は大きな武器になると思います。例えば右に味方も相手も寄っている状態で相手のいないサイドにいる泉澤選手へパスが通せたらチームのチャンスは多くなります。ただこの時に何人も繋いで泉澤選手へパスが通っても時間がかかり相手も体勢を整えてしまいます。ですが、野澤陸選手から1発で泉澤へパスが通れば、泉澤選手にスペースと時間を与えることができます。このような速くて長いパスが蹴れる選手は今重宝されますが、まさに野澤陸選手は当てはまります。背も185cmと高く、空中戦も強いのでモダンなCBと言えるでしょう。

WB

ウイングバックは新しい選手が多くなりました。金井選手をはじめ、関口選手、須貝選手と加入しました。ウイングバックはシャドーとの組み合わせが重要となります。特に左で泉澤選手とユニットを組むであろう金井選手は相性がいいと思います。宮崎で行ったTM熊本戦では泉澤選手、金井選手の組み合わせから2得点奪いました。泉澤選手はタッチラインを背にした状態での1on1を得意としている選手なので、そのかたちをどう作るかがチームの攻撃の手段となります。この時に重要なのがユニットを組むウイングバックの動きになります。TM熊本戦1点目は大外に張った泉澤選手にボールが入ると金井選手が後ろからインナーラップ。縦を塞いだ相手を見て泉澤選手が内側へドリブルし、それを見た金井選手は内側から大外へ進路変更。相手を引きつけた泉澤選手は大外でフリーになっている金井選手へパスを出し、金井選手のクロスから有田選手というかたちでした。2点目は同じく大外に張っている泉澤選手へボールが入ると、既にハーフスペースで立ち位置を取っている金井選手。泉澤選手は平行サポートにきていた山田選手と内側へワンツーをし、ハーフスペースでフリーとなっていた金井選手へ縦パス。金井選手がターンから裏へ抜け出した有田選手へ中田英寿ばりのスルーパスでアシストのアシストを決めるというかたちでした。いかに攻守で泉澤選手を活かし、活かされるかができる相方になれるかが左ウイングバックには必要になります。
左は偽サイドバック的にサイドバックとしての振る舞いをしますが、逆に右は大外に張ってウイング的な振る舞いになる事が多くなると思われるので、主に1人で仕掛けられることが必要になってきます。荒木選手、小林選手、関口選手は1人でドリブルからクロスまで完結出来るタイプなので1試合で何回仕掛け、何回クロスが上げられるかはポジション争いの上で重要になってくるでしょう。

CH/DH

セントラルハーフは武田選手が抜け、野津田選手が加入しました。同じ左利きで運動量も多い選手なので穴埋めにはぴったりだと思います。ですが武田選手は攻撃的にも守備的にもどちらに比重を置いても光るタイプでしたが、野津田選手は攻撃面では問題ないと思いますが、相方の組み合わせや場面によっては守備に比重を置かなければならないときにどうなるかは気になります。
山田選手、中村選手は昨年からの急成長で今年はおそらく主力として稼働することになると思われる2人ですが、バタバタした時やチームがうまく回らない時にどうチームの中心として振る舞えるかがこれから必要になります。勢いだけで上手くいかないことも多々あるとは思いますが、成長を見守りたいです。野澤英選手はそういう意味ではチームに落ち着きをもたらせることが出来る選手ですので、相手や試合状況によってはセントラルハーフだけでなくシャドーやアンカーもあると思います。
今キャンプ中は中山選手がセントラルハーフで主に起用されていたこともトピックスかもしれません。1年目はサブ組のセントラルハーフを務めていましたが、昨年はシャドーでプレーし試合出場数も増やしていましたが、今季はシャドーの選手が多いことからも1列落として起用されているのかもしれません。セントラルハーフの方が前を向いてプレーしやすいので中山選手の特徴を生かすには最適であると思います。守備面も身体が大きくなり戦える選手になりつつあるので問題ないでしょう。あとは90分通して(体力的に)プレー出来るかだと思います。

シャドー

今季から三平選手、長谷川選手、鳥海選手、パウロバイヤ選手(未合流)が加入しました。
三平選手は大分でもシャドーでプレーしてきているのでなんの問題もなく期待大です。プレス隊としてチームを引っ張っていって欲しいです。また宮崎選手、長谷川選手、鳥海選手、パウロバイヤ選手と若い選手が多いポジションでもあります。
左シャドーはやはり泉澤選手が抜けているポジションになります。自分のカタチを持っていて、それがチームの武器になっているので簡単には変えられない選手です。ですが、昨年の終盤のように相手から必要以上に対策されたり、怪我で長期離脱などで居なくなるとチームが機能しなくなってしまうこともありえます。そんな中で鳥海選手のような泉澤選手以外に仕掛けられる選手が入ってきたのは嬉しい限りです。泉澤選手とは毛色の異なるドリブラーでTMではシャドー以外にもワントップも務めるなど早期の戦力化を進めていることが伺えます。

CF

昨年いた選手が1人も居なくなったポジションです。新たに加入したのは有田選手とリラ選手です。有田選手は京都や愛媛でもそれなりの数字は残していますし、裏抜けでもポストプレーでもなんでも出来る万能なタイプで、色んなかたちのゴールが増えると思われます。リラ選手はポストプレーヤー的な前振りで加入しましたが、映像を見る限りそんなこともなく、こちらも色々と出来そうなタイプです。ブラジル3部相当リーグの得点王?を取ったこともあるとはいえ、レベルはどんなものか実際に見てみないとわかりません。


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