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バックパッカーとドラッグ

私は何回もドラッグをやっている。辞める気なんてさらさらない。辞められない訳じゃない。辞める理由が見つからないだけだ。
この最初の段落を見ただけで、「ダメ!ゼッタイ!」の教育を受けているほとんどの日本人は、私のことをドラッグに人生を壊されたクズ人間とでも思っているだろう。
その「偏見」は当たっているのだろうか?本当にドラッグは人生を壊すのだろうか?私たちが教えられたことは本当に正しい知識なのだろうか?

バックパッカーとドラッグ

バックパッカー社会はドラッグ社会だ。みんながみんなやるわけではないが、少なくとも私の周りでは全くドラッグをやらない人の方が少数派だし、やらなくてもドラッグ愛好家に寛容な人が多い。しかし、ドラッグを好む全ての人がそれに依存し、それがなければ生きていけないというわけではない。「ドラッグ=依存」という等式が刷り込まれている日本人にとっては理解し難いかもしれないが、いわゆる「普通」の人が趣味の一環としてドラッグを嗜んでいる。全てのドラッグに依存性があるわけではないことを知っていれば驚くことでもない。

ドラッグ・カルチャーも多様だ。バックパッカーたちのドラッグ・カルチャーが全てのドラッグ・カルチャーを代表しているわけではない。そのコミュニティによって好まれるドラッグだったり、許容されている範囲だったりが異なってくる。


バックパッカー・コミュニティでのドラッグ・カルチャーの特徴

1.依存性が低いパーティードラッグを好む
バックパッカーが好むのは基本的に身体依存性が低い、LSD、マッシュルームといった幻覚系や大麻、アッパー系だとMDMAなどが好まれている。反対に覚醒剤やヘロインのような依存性が高いもは、ドラッグに寛容なバックパッカーやヒッピーの中でも許容されていないことが多い。

2.嗜好品の一種
多くのバックパッカーにとって、ドラッグとはアルコールやタバコのような嗜好品の一種である。それが人生の全てになることはない。人生の一部にそれがあるだけだ。

3.幻覚系の人気
バックパッカーコミュニティでは、LSDやマッシュルームなどの幻覚系が圧倒的に人気だ。バックパッカー 文化が、東洋思想へ近づくために幻覚系に使用を推奨したヒッピー文化に起源があるからというのも幻覚系が人気な大きな理由の一つだろう。

4.科学に基づく基準
これは(1)にも通じるが、彼らが好むまたは許容するドラッグの種類は、世間の一般常識や法律よりも科学的データに基づいている。なので、依存性が低く健康への害が少ない大麻は吸うけど、合法であるアルコールやタバコは全くやらないという人も珍しくはない。

このように見ると、特に日本の一般人の感覚とは、ドラッグに関する意識に大きな違いがあることに気づく。
それではなぜ、バックパッカー社会ではドラッグの使用が日常的に行われているのか。


バックパッカー社会でドラッグ・カルチャーが大きな理由

1.ヒッピー文化の継承
1番の理由はバックパッカー・カルチャーがヒッピー・カルチャーから生まれているからだろう。そもそものヒッピー・カルチャーは東洋思想追求のために一部のドラッグの使用を許容、もしくは推奨した。バックパッカー・カルチャーはこの流れを引く者が多いから、ドラッグも文化の一部として今も存在している。

2.安価さ
バックパッカーが旅する国は物価の安い発展途上国であることが多い。このような国ではドラッグも安価に手に入る上に法整備が整っていないことが多いので、ドラッグへの敷居が低くなっている。

3.好奇心が強く伝統に囚われない人々
バックパッカーは基本的に見たことのない世界を見てみたいと思うほどに好奇心が強い人々だ。その好奇心の範囲はドラッグにも及ぶのだ。それに様々な文化や人に出会うので、既存の価値観に囚われていない。だからこそ、一般的に「違法」と言われているものにも本当に何が悪いのか疑問に持つのだ。

別にドラッグの使用を推奨する気は全くない。だが、ヒッピー・コミュニティに身を置いて彼らのドラッグ観を体験すると、自分で責任が取れるなら使用を咎める気にもならない。むしろSteve Jobsが「人生で行ったことの中で最も重要な2–3の経験のうちのひとつ」と言ったように、私個人としてはサイケデリックは本当に経験してよかった。

私が体験した限り、バックパッカー・コミュニティにおいてドラッグに依存している人はほとんどいない。闇雲に「ダメ!ゼッタイ!」と教育が一般的である日本においては、このヒッピーたちの別アングルからのドラッグ観から何か学べることもあるのかもしれないと思う。

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