見出し画像

ラヴェルの歌曲Sainteをカバーしてみました。

フランスの作曲家、モーリスラヴェルの歌曲「Sainte」(「聖女」と翻訳されることが多い)のカバーしてみました!

もともとラヴェルがフランスの詩人マラルメの詩に曲を付けた曲なのですが、歌詞は少し意味を変えた内容で翻案したものにしています。コード進行はかなり変えています。

SAINTE(ステンドグラスの聖女) Joseph Maurice Ravel covered by Keysa(きーさ)

↓はsoundcloudです。ページ内でダウンロードもできますのでよろしければどうぞ。

歌詞はこちらです。

ステンドグラスの聖女

窓のむこうでそっと落ちていく光
午後の静止の刻(とき)を 数えている

隠れた教会で 祈っている人の

永遠の嘆きをいつも 護りながら
竪琴を爪弾く その細い指のしらべから
舞い降りた 天使の翼は

描かれたステンドグラスから 流れ落ちて
やわらげていく
罪の声を
やすらかな願いに

----------------------------------------------------------------------------------

もともとこの曲はマラルメのsainteという詩にラヴェルが曲を付けたものなのですが、その詩の内容に沿いつつ歌詞も少し変えました。

なので翻訳というより翻案ですね。曲のアレンジはだいぶ変えています。もともとはこういう曲ですよ。

ではもともとはどういう詩でしょうか。

マラルメの詩はいくつか翻訳があるのですが

著作権問題があるので直接引用はできません。。わたしはフランス語ができないので、グーグル翻訳と既存の複数の翻訳を元に、だいたいこういう詩だろう、というのを書いてみました。

-------------------------------------------------------------------------------

聖女

かつてフルートかマンドールとともに
きらめいていたヴィオルの
色あせている古い白檀を
隠した窓には

むかし晩禱や終課のときに
流れる聖母マリアの賛歌の書かれた
古い書物を繰り広げている
淡い色をした聖女がいる

聖体顕示台のガラスを通して
夕暮れの飛翔の天使の翼が
繊細な指のためにつくられた
その竪琴をかすめていくと

古い白檀も古い本もなしに
楽器のような羽毛の上で
彼女はその指を揺らしている
ステンドグラスに描かれた
この沈黙の音楽家は

---------------------------------------------------------------------------

そして以下は元の詩です。マラルメもラヴェルも著作権切れてるので引用しやすくて良いですね。

Sainte
À la fenêtre recelant
Le santal vieux qui se dédore
De sa viole étincelant
Jadis avec flûte ou mandore,

Est la Sainte pâle, étalant
Le livre vieux qui se déplie
Du Magnificat ruisselant
Jadis selon vêpre et complie:

À ce vitrage d'ostensoir
Que frôle une harpe par l'Ange
Formée avec son vol du soir
Pour la délicate phalange

Du doigt que, sans le vieux santal
Ni le vieux livre, elle balance
Sur le plumage instrumental,
Musicienne du silence.

Stephane Mallarme

-----------------------------------------------------------------------------

気になった方はどうぞ邦訳が色々出ているので手に取ってみるのもよいかも。

個人的に一番無難な気がするのはこれかな。。

翻訳の巧拙はわかりませんが、比較的手に入りやすくこなれている感じがします。

次はこちらかな・・・

この翻訳は昔から定評があるものですが、昔なので言葉が時代を感じる内容です。

なお詩にでてくるヴィオルはヴィオラダガンバ。弦が六弦ある昔ヨーロッパで使われていた楽器です。

↓にヴィオラダガンバやマンドールの解説がありました。

なお、ラヴェルは他にマラルメの詩に曲をつけた歌曲を書いています。

マラルメの3つの詩、というものですが、

saiteよりも後に書かれ、楽曲もアンサンブルも複雑なものになっている

この曲の方がマラルメの詩の感じが出ている気がします。

さすがにこれのカバーは難しい・・・





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?