見出し画像

「気づく」とはどういう動詞か

「気づく」はよく使われる動詞だ。「なんで気づかなかったの?」「気づいていたらやっていたよ」など。この言葉は何気なく使われているが、実際にはどんな状況で使われているのだろうか。似た言葉に「意識する」があるが、これだと少し意味がずれる気がする。その違いはいったいなんだろうか。「気づく」というのはこころの働き。意識、注意、記憶などの働きと関連しているのかもしれない。「気づく」とは、自分と自分を取り巻く世界を知るための巧妙な仕掛け。この仕掛けによって、自分と世界の物理・化学・生物学的な関係は、感情、心像、記号、シンボル、さらには想念など、こころの経験の世界、つまり意味の関係に置き換えられる。意識はからだを中心として、われわれはまわりに外の世界が広がっていることを知る。意識は常に全体として働き、外の事象と自分との間に、ある距離を置くことを可能にしている。意味の距離が近ければ近いほどよく気づけるのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?