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遺言書作成のすすめ

結論
遺言を書く主な目的は3つです。
1.「財産を残す人の意思の実現」
2.「相続トラブルの発生防止」
3.   「円滑な相続手続きを行うため」
残された親族の手間を楽にするという意味でも意義のあることなのです。



1. 遺言が必要なわけ
①    遺言の意義
 遺言とは、自分が生涯をかけて築き、かつ、守ってきた大切な財産を、最も有効・有意義に活用してもらうために行う遺言者の意思表示です。
②    遺言による相続争いの防止
 遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続をめぐる争いを防止しようとする目的があります。
 大切な遺族に対して「最期のメッセージを遺す」という意味です。
 
2.遺言がない場合
① 遺言がないときは遺産分割協議が必要
被相続人が遺言をしないで亡くなると、相続人全員で遺産分割の協議をする必要があります。これが円滑に進まないケースが多いのが現状です。相続人がそれぞれ勝手な主張をして揉める場合が多く見受けられます。相続人同士の遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停・審判となりますが、これでもまとまらない場合は、裁判となり紛争が長引きます。
② 遺言による公平な遺産相続の実現
法定相続に関する規定は、一般的な家族関係を想定して設けられているので、これをそれぞれの具体的な家族関係に当てはめると、相続人間の実質的な公平が図れないという場合も少なくありません。例えば、子供の頃から遺言者と一緒になって家業を助け、苦労や困難を共にして頑張ってきた子と、そうではなく余り家に寄り付かない子とでは、それなりの差を設けないと、かえって不公平ということにもなります。このような内容の遺言することが、実質的に公平な相続を実現することになります。   
遺言者が、自分の家族関係をよく頭に入れて、その家族状況に合った相
続の仕方を遺言できちんと決めておくことは、後に残された者にとっ
て有り難いことであり、必要なことなのです。

 
 3.あらかじめ遺言を残しておいたほうが良い場合
① 自身の意思で残す財産の分配や割合を決めたい場合
自分で財産の分配方法を決めておきたいときは、誰に何をどれだけ相続させるかを遺言に書いて明確にしておく必要があります。このように特定の相続人に財産を残すようなときは、遺言を書いた理由や経緯、ご自身の気持ちなどをあわせて書いておくことで、相続人間での無用なトラブルを未然に防げる可能性があります。
② 不動産を所有している場合
不動産をいくつか所有している場合は誰が、どの不動産を相続するかについて争いが起こることがあります。また、自宅しか所有していない場合でも売却しないと相続人間で平等な分配をすることが難しいケースも少なくありません。とくに同居している相続人にとっては住むために必要な場所なので、売却して相続人全員で分配するとなれば非常に困ることになります。不動産を誰が相続するかを決めることはとても大切なことです。
③ 夫婦の間に子供がいない場合
夫婦の間に子供がいない場合、残された妻(夫)と義理の父や母、もしくは義理の兄弟達が相続人になるため、全員で遺産分割協議を行う必要があります。そのため、夫名義の自宅や預金を妻名義に変更するには夫の両親または兄弟の同意が必要になってしまいます。あまり関係が良くない場合や交流がない場合は遺産分割で揉める可能性が高くなってしまいます。
④ 事業や農業などを営んでいる場合
跡取りに事業経営をスムーズに引き継いでもらうには、遺言を書いておく必要があります。なぜなら、事業経営を継続していくためには、相続によって資産が分散すると事業経営に悪影響が出てしまうことになるからです。
⑤ 法定相続人以外の人に財産を与えたい場合
 ・ 長男の嫁に財産を分けてやりたい場合
 ・  内縁の妻
 ・  孫など第1順位でない相続人
 ・  お世話になった人や看病をしてくれた人
 ・  財産を寄付したいと考えている場合
⑥ 遺言があったほうが、相続手続きが円滑に行えると考えられる場合
 ・ 再婚をし、先妻の子と後妻がいる場合
 ・相続人同士が仲が良くない場合
 ・相続人に行方不明や浪費家がいる場合
 ・相続人が大勢いる場合
 
以上遺言を書く主な目的は3つです。

1.「財産を残す人の意思の実現」
2.「相続トラブルの発生防止」
3.「円滑な相続手続きを行うため」

つまり遺言を書く事は残された親族の手間を楽にするという意味でも意義のあることなのです。

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