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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1348.テイク 2


 建物については軽微な損傷を複数の家屋に与えていた。
 これは派手にぶっ飛ばされたミロンが着地を試みた結果、衝撃を殺す為に何度も受身を繰り返した事が原因である。
 如何に体術に優れたネコ科とは言え、大型の猛獣であるヒョウ属の体重では勢いを消すまでに十数件の屋根に小さくない破壊をもたらしてしまったのだ。

 獣人達曰く、

『まあ、明日になれば『再生雨』で直りますのでご心配なく』

と言う事らしい。

 じゃあ良かったね いやいや待ちなさいよ おろ待つの? そうよダソス・ダロスが可哀想じゃない アタシのせいでごめんなさい いやいやこれは別問題だろ? 再生雨って痛いのよ? でも家が壊れたまんまでは…… お替りをくれ! んじゃどうするんだ? 兎に角再生雨は駄目よ! おいお替りは? アタシが壊しちゃったから…… まあ確かに早とちりだったよなぁ おいお替りってあるんだよな? アンタ等怪我はもう良いの? ええまあ そっちもアタシのせいで…… 本当だよ 下手すりゃコイツ等死んでたぜ、なあ? ま、ま、もう止めましょうよ、ねっ? おお、サンキュ♪ これまだあるのか? ホントか良かったー♪ ちょっと待っててくれスグ食べちゃうから!

 こんな感じで対応策を検討しながらの楽しい食事会となっていたのである。
 因みに会場は例の迎賓館前の広場、家屋に被害を受けた獣人達用の仮設テントや大きめなタープが並べられてちょっとしたイベント的にも見えている。

 炊き出しの料理に里人全員が舌鼓を打ち、そこかしこに灯され始めた灯りの金属器に照らされて、あちらこちらで交わされるにこやかな笑顔は迷惑な豚猪災害で焼け出された被災者の姿には見えなかった。

『兄ちゃん! オイラはここだよっ!』

 ダソス・ダロスが大きな声を出した、走馬灯が例の場所まで来たとみえる。
 反射的に答えを返したのはレイブだ。

「おっ、起きたか? じゃ無かった、えーっと、『へ? あんちゃん? って俺?』 だったかな?」

『へ?』

 レイブは二時間前に戻ってやり直しを試みるつもりらしい、優しみを感じる。

「ダソス・ダロスどうするの、テイク2やる?」

『ガト…… 私は助かったのか……』

 悪戯いたずらな笑みを浮かべたガトの声に答えたダソス・ダロスはその場で立ち上がって自分の体が回復していることに驚いている。

『肢も元通りに戻っている? 一体どうやって……』



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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