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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1003.非難


 そこまで考えたレイブは、捨てられたの? の問いの後、ビクッとしたまま下を向いて俯いたきり固まっていたラマス、エバンガ、カタボラの姿を見回してから再び考える。

――――今は目の前の事に全力で取り組まなくちゃいけないな! バストロ師匠に教わったじゃないか! 今出来る事を一所懸命に、それが魔術師なんだから! んまあ、俺達は何でか魔術師ではなくなってしまったけれどぉ…… でも、でもっ、『北の魔術師』バストロ師匠の弟子である事には代わり無いんだから! シパイ兄ちゃんの真意も気にはなるけど、今出来る事はそれじゃないっ! 今目の前にはシパイ兄ちゃんにも世の中にも学院にも不必要だって言われちゃって頭をもたげているラマスとエバンガ、それにカタボラがいる…… ならばっ! 良しっ!

 自分の腕を抱いたまま、蝋人形のように固まっているラマスの両肩に優しく手を置いたレイブは、彼女に正対して言葉を発するのである。
 一切の淀みなく通る声だ。

「なあラマス、俺と結婚してくれないか?」

「! …………は? ええとぉ結婚、ですか? まあアタシ的には別に問題は無いですけど、叔父様って凄く格好良いですからぁ~、って! え、えええっ!! け、結婚っ?!」

 驚きの叫びを発するラマスの声が切欠きっかけになり、カタボラとエバンガも驚愕の表情をレイブに向けたのである。
 無論、レイブのスリーマンセルであるギレスラとペトラもそれぞれ驚きの声を上げる。

『け、結婚だと! レイブ軽はずみに口にして良い様な言葉ではないぞっ! よく考えるんだ! ほれ、二人は今日出会ったばっかりだろうがぁ、流石にそれは不自然過ぎるぞぉ、レイブっ!』

「むっ?」

『そ、そうだよ! 第一ラマスはまだ十二歳、なんだよ? まあ、アタシは九歳なんだけどさ…… ねえ? 普通に判り易く子供、なんだからさっ、大人のアンタが求婚するとかさ、普通に考えれば常識外れ、過ぎでしょうっー?』

「ぬうん……」

 子供の頃から割と強引で、聞かん坊で唯我独尊ゆいがどくそん的な性質が散見され捲っていたレイブであったが、自分と同列な存在であり、それなりに存在を重視していたスリーマンセルの非難気味な、いいや非難轟々雨あられな言葉を聞いて、なにやら思う所があったらしく珍しく腕を組んで考え込んだのである。
 因みにこの組んでいる腕には先程まで抱かれていたラマスの片手もしっかりと組み込まれていた。
気にしない、そう言う所がレイブなのである。

「あ、あわわ!」

 腕を強引な力で持ち上げられてしまったラマスが変な声を出している中、瞬時の思索を終えたレイブが堂々とした声で言う。

「そうか…… まあ、そうだな…… 出会ってからの時間が足りない、それに言われた通りラマスはまだ幼な過ぎるもんなぁ…… よし、判った! んじゃあ婚約だな! ラマスがもう少し大人になってその間一緒に時間を過ごした後で結婚する事にしよう! それだったら何も問題ないだろう? うん、うん、そうしようっ! 良かった良かった、君もそれで良いよな、ラマス?」

 うん、無茶苦茶だよね…… そもそも良かったとか決めてる背景に当事者であるラマス自身の気持ちが入れられていないんだもん……
 もっと相手に自由に発言させなきゃ駄目じゃないのぉ?



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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