【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1420.ガトの想い
エンドルフィンやドーパミン、インスリンからアドレナリン、ノルアドレナリンからセロトニンまで、様々な分泌液でひたひたになったレイブの決断は異常に早かった。
前頭葉に重苦しい疼痛を感じながらもいつも以上に表情を引き締めて、少しスカした感じでレイブは言う。
「良いも何もないさ、ガト、お前がしたいようにすれば良いんじゃないか? だろ?」
「良いの? その…… わ、訳とか、聞かないの?」
――――来たか、乳が…… まあここは大仰にしないでシレっと受け入れてやるとしようか、後でラマスに話されでもしたら殺されかねんしな
「訳なんて聞くまでも無いさ、仕方無いじゃんか、それが恋だろ?」
「恋? 何で判っちゃったの?」
――――ははは、体ばっかり立派にボンキュッボンでもまだまだネンネだな! まあ、悪魔みたいな脳筋に育てられたんじゃ仕方ないかな? ここは俺が恋愛上級者としてしっかりリードしてやらんとな! やれやれ♪
「何でって、そりゃ子供の頃からいつも一緒だっただろ? それ位判るさ」
「え! そ、そう、なんだ…… 子供の頃から…… そっか、バレちゃってたんだね」
――――今更恥ずかしそうに頬なんか染めちゃってぇ、チクショウ可愛いじゃねーかぁ、乳でかいし! んでも、ここは慎重に大事な事だけはしっかり伝えておくとするかな? そうだなケジメはケジメ、釘は刺して置かんとな!
「自分の心のままに生きるのが一番だろ? だけどな、ラマスの事は大事にしろよ? そこら辺だけは上手くやってくれなきゃ困るからな」
「へ? なんでレイブの彼女が出てくるのよ?」
「何でって、そりゃあお前――――」
本命と二番目だからだよ、そんな言葉をはっきり言うのも何だかな、そんな感じでレイブが口篭る間もガトは会話を続ける。
「でも、知ってたんだね、何か恥ずかしさマックスなんだけどぉ、アタシがイシビベノブ兄ちゃんを好きで一緒についていって探し出したいって思っていた事なんてぇ、どうして判ったのぉ」
「だから何でって………… は? イシビベノブ? な、何だってぇっ!」
衝撃の事実、ガトが恋焦がれていたのは自分ではなくゴライアスの子等、最年長のイシビベノブだったのだ。
思いもよらぬ事態に全身をわなわなさせているレイブにガトは小首を傾げて問う。
「どうしたの? 知っていたんでしょ、アタシの気持ち」
「むむむむ、無論、し、知っていたさぁー、そ、そう言ってるじゃないかぁー、さ、最初からぁ」
「そう? それで? レイブの彼女のラマスちゃんは何で出てきたのよ? 大事にしろって言ってたじゃない? ねえ、何で?」
「な、何でって…… その…… と、歳も近いからさ、な、仲良くしてね、って事だよ」
「ふーん、まあそうよね、女同士仲良くさせて貰おっかな」
「お、おう」
レイブはモテ期ではなかった。
しかし勘違いと邪なスケベ心が先走った結果、ガトの身の振り方だけは決定したのである。
まあ良かった。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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