【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第二部 五章 続メダカの王様
827.ボナンザ!
ナガチカはナッキに言う。
「若しかして『存在の絆』ですか?」
「うん、そうだよ」
「そうか、皆さんが使えると言う事は、やはり、カーリーが…… ふぅー、そうか…… あの、ナッキ殿、良ければ日を改めて私の話を聞いて頂けませんか…… 王様であるナッキ殿ならば、上に立つ者の苦悩を吐露できる気がするんです…… 勿論、嫌でなければ、ですが?」
ナッキはいつも通りだ。
「うん良いよ、僕で良ければいつでも聞かせてもらうよ」
「ありがとう」
そんな短い会話を交わしている間に、森の木立の間からランプがひょっこり顔を覗かせ、同時にドラゴが羽音を響かせて池に生えている葦の上にとまる。
僅かに遅れてバサバサと迫力ある風切音と共に巨大なナイト・ヘロンが池の護岸、ナガチカの少し横に着陸したのである。
最後に到着したヘロンが自然な感じでナガチカではなく自らが仕えるナッキに向けて頭を下げつつ言う。
「遅くなりました、どうかご容赦を、ナッキ様」
「ううん、ヘロンだけじゃなくて皆も遅い時間なのにありがとうだよ、でね、ナガチカが何か見つけてくれたんだけどさ、それがなんと例の『魔力草』についてなんだってぇ! どう? 聞きたいでしょ? ヘロン?」
「な、なんとぉっ!」
嬉しそうでありながら期待していなかったのか、周囲の仲間がビックリするほどの驚きを込めた声で叫ぶヘロンに、ナガチカは地下のラボから持って来たのであろう、数枚の画像がプリントアウトされた書類を示しながら問い掛ける。
「見てご覧よナイト・ヘロン、君が言っている『魔力草』とは、この植物の事なんじゃないかな?」
言われて書類に貼り付けられた画像を覗き込んだヘロンは興奮した口調を隠そうともせずに即答だ。
「は、はいっ! これですよ! この丸くてツルツルとした光沢、間違いなくっ、あの、『魔力草』に他ありませんっ!」
ナガチカは言う。
「やっぱりね」
ナッキ始め集った面々がヘロンとナガチカの顔を交互に見つめる中、ナガチカは説明を始める。
この植物の名前はカキノキ、皆さんに馴染みの名前で言い換えれば秋の味覚、所謂『柿』である。
令和の時代であれば日本や中国、韓国や北朝鮮で愛でられた例のオレンジのヤツである。
まあ、北アメリカや南ヨーロッパでも栄養価やその美味しさが注目されて人気グンバツのフルーツだった筈である。
西洋ではシャロンフルーツとか言ったかな? イスラエルやスペインで栽培量は増えたけどヨーロッパでは割と高価な果物だったよね?
んで件の『魔力草』は普通の柿ではなくて、当然の様にアーティファクトの植物、それをペジオが通常栽培しようと目論んだ、言わば植物の悪魔だった様である。
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まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
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これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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