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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1566.フラグ祭り


「レイブ、まさかアンタ等だけで行く気なの?」

 ガトの全うそうな意見にレイブはキョトンとした顔で返す。

「そうだが? そもそも俺達がズィナミに頼まれた仕事だからな、厳密にはアスタさんが勝手に引き受けた仕事だけど……」

「そんな…… 危ないじゃ無いのよ」

 幼馴染としては心配になる所だろう、気持ち的に理解は出来るが、それ、フラグの前振りにもなるから気を付けた方が良いと思う。

「なーに大丈夫だろ、何かあれば俺の必殺技をお見舞いしてやるぜ、なははは」

『その通り、なははは』

『なははは、よ♪』

 ほら、脇役っぽいセリフが出ちゃったじゃないか…… 普通は死ぬからね、必殺技も足止めにすらならないだろうさ。

「アタシいやな予感がするのよ」

 フラグ多重掛けだね。

「いやだってこっちの皆も守らなきゃだろ? パダンパとペトラが行くんだから回復要員でダダ坊は残った方が良いだろ? それに戦闘力的にもガトとミロン、ブロルは最低限必要だと思うけどな」

『確かに兄貴の言う通りなのだが…… ガト?』

「うーん、でもぉ……」

『大丈夫っすよ! この俺がついてるっすから!』

 最初に死ぬぞ、パダンパよ。

「にしたってスリーマンセルだけでなんて無茶だわ」

 まさかのノーカウント、むごい。

「大丈夫だって! ギレスラもいるんだぜ? 竜王だって話位は聞くだろ? それに、おっ!」

『ジジッ?』

 もう坑内のワンオペ作業を済ませたのか、バッタが疲れの欠片かけらも見せずにレイブの頭に止まる。

「ほれ、俺達プラステューポーンさんも居るんだぜ、大丈夫そうだろ?」

『俺も居るっすよ!』

 あ、お前!

「そうね…… テューポーンが一緒だったら、まあ…… でも気をつけなさいよ?」

「了解! 心配すんなって!」

『安心して待っていてくれ』

『大丈夫よ、なんとかなるわ』

『ジジッ!』

 そこはかとなく不吉な言葉を重ねるスリーマンセルを、やはり不安そうな表情のままで見つめるガトである。
 横では独り固まっているキャス・パダンパに対して、慰め様とでもしているのか、ハンペラが三葉虫のパラドキちゃんを見せてあげていた、優しい。

 一方、レイブから首肯で促されたダソス・ダロスは群れ全体に休息の終りを告げる咆哮を轟かせ、同時にミロンとブロルの配下達も、獣人達の移動を導く為に長く伸びた旅団のあちらこちらに散り始めている。

 レイブはまだボーッとしたままのキャス・パダンパに声を掛ける。

「ほら行こうぜパダンパ! ここから先はお前だけが頼りだからな! よろしくな」

『え、あ、はい?』

『竜王の元に到着したらお前は我等と無関係を通せばお咎めも無かろう、まあ、いざとなってもお前独り位は無傷で逃がしてやれる、とは思うがな? クフフフ』

『えっ!』

『そうよ! 大船に乗った気分で居なさいね! 第一アンタに何かあったらパリーグ姉さんに何をされるか判らないんだから!』

『あ、ああ、はい』

 一言づつを残して峠を下り始めるスリーマンセルを追う様にゆっくり歩み始めたキャス・パダンパはいつもより少し体の重さを感じずにはいられなかった。

――――この俺がビビッて…… いや、緊張しているってーのか? ま、まさか、な……

 首を傾げるパダンパに対し、ちゃっかり背中に跨ったハンペラといつの間にか最後尾から歩いて来ていた仲間のウータンギャルズ、都合七人が声を合わせて告げたのである。

「「「「「「「イッエーイ! ハイドォーッ!」」」」」」」

『お? おお』

 パダンパの体は急な下り坂をしっかり踏みしめながら進んで行った。
 多分それ、背中のサルの重さだとは思うが、兎に角パダンパ的にはここからの旅路の重責ゆえだと感じちゃっていたのである……



お読みいただきありがとうございます。
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まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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