【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1394.移ろう心
まだ何度目かの謝罪の声を揃えている甥と獣人達に背を向けながら賢者レイブは大きな声で告げる。
「大体、キマイラだとか醜いだとか見た目をどうこう言うのが駄目じゃんか! そこは絶対駄目な所だろ? 言うなよ、思っていてもっ! そもそも自分の顔見てからだろうが! 気持ち悪い模様した何だか判らん混血児と、人だか獣だか判別不可能で不気味な化け物の癖に! 醜悪な見た目同士仲良くしろってんだよ! 不細工なんだから」
『だな、醜い仲間なんだからな』
『そうね、一緒にみぐるしい倶楽部でも作れば良いのにね』
『あ、兄貴待って! ガト、後を頼んだぞ』
「う、うん」
言いながら里に戻っていくスリーマンセルとダソス・ダロス。
残された面々はガトに誘われて水場で汚れた体を洗い流しに向かった。
口惜しさや惨めさが流させた涙も一緒に洗い流した頃、キャス・パリーグと獣人達は相対的な感覚から、ガトの事を大好きになっていたのである。
流石は偶像神、アイドルサタン入りと言った所だろう。
その後は本日何度目かになる情報の刷り合わせ、そう名付けられたダラダラとした食事会風座談会の再開である。
直前とはっきり違っていたのは席次であった。
議長っぽい場所、車座の中心にはガトが座り、周囲には獣人の幹部連とキャス・パダンパがカッチリと固めた布陣である。
こちらの面々の前に整えられた膳には肉や汁、副菜から箸休め的な珍味にデザート、果物類まで確りと揃えられている。
次ぐ位置に座すのは巨大なダソス・ダロス、対面にはステナや世話係の指揮を取っていた鹿顔の獣人、隣には迎賓館の中でレイブ達に食べ物を運んでいた頭頂部の毛髪が少ない普通のニンゲンっぽいオッサン達、更には大柄な熊面の獣人達までもが控えていた。
席に呼ばれ、着席までの簡潔な挨拶で知り得る限りの話では、てっきり狩猟部隊の長の一人だと思っていたステナ達ゲッコーは救護隊、皆さんで言う所の衛生班的な役所を担っていたらしい。
確かにトラやオオカミ、毒ヘビに比べれば随分たおやかできめ細やか、所謂女性的な部隊だった気もするな。
鹿顔は食料調達の責任者、つまり輜重隊的な係りさんだと判断できた。
一方の薄毛なオッサン集団は饗応係、意外な事に知能は高いらしく、各種伝統や格式にはメッチャ通じているんだそうだ、古今の違いなく人は見掛けに寄らない物だね、まあ、人かどうかは定かでは無いが……
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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