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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第二部 五章 続メダカの王様 
852.ゲバルト

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 ナガチカは今まで以上に上機嫌、と言うかニタァと気持ち悪い笑顔で答える。

「ん? 何を言っているんですか? 私達はこれからも一切変わる事無く仲良しですよ! お別れ、まあ、そう言えばそうなのかもしれませんけど…… でも、一生変わらない絆を結ぶ事が出来ますからね! ご心配なくっ♪ とっくに仕込みは完了していますのでねぇ! さてと、そろそろ生まれるかなぁ? ふふふふふ♪」

「えっ、何なの? まだ関わらなきゃ駄目なの?」

「生まれる? って一体、何がっ?」

 不穏な言葉に危機感を抱いてしまった二匹の質問に答えるナガチカは、口角を上げ捲り両の目を剥き出して答える、不気味なだけじゃなく多分な狂気も含んでいるようだ。

「勿論、私との子供ですよ! 私のスキル『繁殖者ブリーディング』はですね、種族の違いや染色体の差を越えて子作りが可能になるんですよぉ! 凄いでしょう? さあ、一体どんな子供が産まれますかねぇ、きっと玉の様に可愛らしい事でしょうとも! ふふふ、半魚人かな半人魚かな? どんな風に混ざり合ったか楽しみですよね、ね、ねっ♪」

 ゾクゥッ!

 背筋に激しい悪寒を感じながらも、ナッキはサニーを庇う様にその身を丸め、戦慄わなないている顔をしっかりと見つめて聞く。

「サニー、大丈夫かい? 体調がおかしいとかどこか苦しいとか無いだろうね? 有ったら言うんだよ? 何も心配要らないっ! 何が起こったって僕は君を守り続けるからねっ! えっとぉ、君の子供、もね、うん、守り抜いて見せるよっ!」

 サニーは答える、涙声だ。

「うんナッキ、もう直生まれる? とか言われちゃったけどね、ビックリする位体調はいつも通りだよ、産卵前のオーリが言っていたみたいに『張る』感も全く無いし…… それよりも、ゴメンねナッキぃ、僕、ううん、アタシ、汚されちゃった…… よね?」

 ナッキは即答だ、良いぞ頑張れっ!

「馬鹿なっ! サニー、君はどこも汚れてなんか無いさっ! 独りよがりで自分勝手な暴力、忌み嫌うべき蛮行に侵されただけの被害者、被害者そのものじゃないかぁっ! 攻められるべきは犯人、頭のおかしい世界のどこにも居場所が無い犯罪者、勘違い野郎の方じゃないぃ? 気にしちゃ駄目だよっ! サニーは、そうっ! 特定外来種のブルーギルやラージマウスバスに噛み付かれただけの被害者だよ! 自分を責めないでっ! 自分を信じてっ! 頭のおかしい野良雷魚に噛まれたと思って忘れなきゃ駄目だよ、サニー、判ったかい?」

 ナッキの熱い言葉、人間に置き換えれば『野良犬に噛まれたと思って忘れなよ』の魚バージョンの説得を邪魔したのは、想像通り、私観察者とは縁も縁も無いナガチカ氏である。
 性犯罪者は言う。

「はははっ! ナッキ殿、貴方は酷い勘違いをしていますよぉ! なははは、なははぁぁっっ!」

 野良犬に我等がナッキが答える。

「か、勘違いだってぇ! 何も間違っては居ないじゃないかぁっ! サニーのどこに攻められて然るべき落ち度が有るって言うんだよぉ! いい加減な事言うなよ、ナガチカァ!」



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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