見出し画像

【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1427.謎の復活


 それにしても早い結着であった。
 既に戦場では獣人の狩猟部隊が念入りに止めを刺し終えようとしている。

「なんとか無事に済んだな、にしてもぉ…… 気付いたろ、ギレスラ、ペトラ?」

『うむ、さっきより随分手強かったのだ…… 防御力が上がっていたのだろうな』

『それに力も強かったわよ! 捕まりかけた時、振り解くのが大変だったもの!』

「ああ、俺達だけじゃヤバかったかもな……」

 意外にもスリーマンセルの手応え的には苦戦ぽかった感じらしいな?
 私と同じ疑問を感じたのか、会話を聞きつけたシュカーラが問い掛ける。

「そうだったんですか? 皆さん余裕で圧倒しているように見えましたけど?」

 レイブはまだ神妙な面持ちを崩さずに答える。

「いや、俺もペトラも何度かヤバかったんだよ、テューポーンさんのお蔭で捕まらずに済んだんだ」

「えっ、あのバッタがっ?」

『ジジッ?』

 不遜な響きの驚き方に緑の小さな暴虐の王、百頭の魔はレイブの頭の上から不満そうな声を発した。

「い、いえ、神様ですもんね…… 当然のご活躍だと思いまして、その……」

 シュカーラの戸惑いも判る。
 見た目は兎も角、強いんだよなこのバッタ。
 なるほど、想像より随分早かった決着にはテューポーンの存在があったんだな、納得できる。

「数もさっきより多かった気がするけど」

 歩いて近付きながら声を発したのはガトである。
 振り向いたシュカーラの視線の位置から既に『偽神デミウルゴス』は解除済みなのだろう。
 
 レイブは厳しい表情を崩さないままで返す。

「だな、もし気のせいじゃなかったら…… こりゃあことだぞ」

 ペトラの口調はもっとはっきりとした不快をあらわにしている。

『うわぁ、復活する度に強くなってぇ、数も? うわあぁ』

『キリが無いのだ、どうするレイブ?』

 ギレスラの問いに答えるレイブ。

「う~ん、ガンバレとしか……」

 ざっくり。

 先行きに不安が生じる中、ここで更なる問題が持ち上がる、ダソス・ダロスからだ。

『兄貴、ガト、思ったより怪我人が多いみたいだ、今パダンパが治癒を掛けているが私も回復に回ろうと思う、それで……』

『アタシも行くわ、ガトちゃんはどうする?』

 ぺトラの誘いにガトの表情はかげりを帯びる。

「アタシは魔力が、ね…… ちょっと調子に乗ってブッパし過ぎた感じなのよ」

『グァ? なら我の『常温のブレス』でチャージ可能だろう! 我も行こう! レイブ、良いか?』

「当然だ、頼むな、ここは俺に任せてくれ」

 任せるも何もお前だけチャージが出来ないんじゃ選択肢はそれしか無いじゃん。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
Copyright(C)2019-KEY-STU

この記事が参加している募集

スキしてみて

励みになります (*๓´╰╯`๓)♡