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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1388.地上へ


 気が付けば地上まであと少し、もう一登りといった所まで到達したレイブとパダンパは、一旦足を止めて頭上でゴウゴウと燃え盛っているブレスを見上げながら言葉を交わす。

『お、おじさん、まさかこの火の中に入っていく、そんな馬鹿な事はしないでしょうね…… 死にますよ俺』

「そうだな…… 流石に『治癒キュア』だけじゃ死ぬだろうな、良しっ、おーい! ギレスラァーッ!」

 大きな声で呼び掛けると、即座に伝わったらしくブレスが止まり、代わりに聞き慣れた声が語り返してきた。

『レイブか?』

「おお、俺だよ! 今から上がるからブレスを止めてくれよ!」

『なるほど…… 念の為に合言葉を』

 ほお、そんな物を用意していたのか。

『そうね、念には念を入れた方が良いわね』

 ふむ、ぺトラも近くにいるらしい。

「合言葉? そんなの決めてないだろ」

『グハッ、その通りだ、上がって来るが良い、グハハッ!』

「ったく」

『えへへ』

 なんだ、ふざけていただけか…… 多分学院の誰かがやっていたのを真似しただけなのだろうな、まあ考えてみればスリーマンセル全員が十代の若者なんだもんな、そんな年頃なのかもしれない。
 基本的に一緒にいる事が当たり前のメンバーだ、こうして少しの間でも離れ離れになった時しか出来ない模倣ごっこなのかもしれない、少し可哀想でもある。

 この時代の娯楽の少なさを私が嘆いていると、レイブの声が続けて聞こえる、一切の屈託が無い声だ、泣ける。

「先に甥っ子を上げるからな、デカイし見た目も変わってるけどパリーグの息子で俺たちの甥っ子に当たる訳だ…… そうかっ! 間接的にはガトやダダ坊にとっても甥っ子になる訳だな! 皆、良くしてやってくれよ!」

『ンガッ、今日は家族が増える日なのだ』

『へぇパリーグ姉さんの息子ぉ?』

『おお、獅子壁のぉ! 確かトラの魔獣とのミックスだった筈だが』

「なになに? その子が噂の化け物なの? あ、ごめん」

 どうやら地上に残っていた面々は、それぞれ出来る事が無くなっていたらしくまったりとしたムードの声を発してきた。
 ギレスラのブレスによるオーヴァーキルを見物でもしていたと見える。

 まだ姿を見せていない声を聞いたパダンパは、やや不安そうな声音でレイブに確認をする。

『叔父さん、どなたなんです?』

「俺の弟と妹だぞ! 豚猪とドラゴンと『森王』と魔神入りの巨人種だ、お前から見たら叔父と叔母だな」

『えっ、何そのバリエーション』

「まあ会えばいい奴ばっかりだって判るさ、んじゃ投げるぞ! それっ!」

『う? うああぁぁーっ!』



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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