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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1094.存在の絆 拡張性


 アスタロトの横からテューポーンが割り込んで聞く。

『わ、我が君、いまだ一方通行の様で完全では有りませんがぁ…… これって、あれですかね?』

『うむ、まごう事無く『存在の絆』であろうな、とは言えお前の言う通り、まだまだ不完全ではあるが……』

『でも、でもっ! 可笑しくはないですか? あの娘ってアムシャ・スプンタ入りなんでしょう? 我が君とは別系統ではないですか! 我が君がお入りになっているレイブ様と通信できるなんてぇ…… 別系統に、『存在の絆』ですか? 有り得ないのでは?』

 アスタロトは事も無げに告げる。

『いや無くは無い話だぞ、例えばイーチの小坊主はルキフェル兄上の眷属でありながらバアルの馬鹿の幹部でも有ったしなぁ~…… それにウチの身内で言えばサルガタナスがあっち、ルキフェル兄上側に移っていたとしても我的には驚かないぞ、ほれ、パズスと想いを通じ合えたからなぁ~』

『そ、そんなぁっ! ふ、不敬でっすっ!』

『くははは、糞真面目なお前らしい言葉だな、だが色恋と言うヤツは杓子定規に割り切れる物ではない、それはお前も判るであろう? それに、憶えておらんか? かつて系統を問わず、全ての悪魔、全ての人間、そして全ての魔獣が心を通じ合えた時代の事を…… どうだ?』

『…………ビッグマムとグレートダッド、コユキ様と善悪様の居られた時代、所謂いわゆるガッツと闘魂の時代ですね』

『ああ、あんな事もあったのだ、今後だとて無いとは言えぬだろう? ましてや恋愛や恩讐おんしゅう、友情や便宜上の関係、考えた所で他者が理解しきれる物ではあるまい…… それよりも、ほれ! レイブとラマスが何やら始めるようだぞ』

 悪魔、それも魔神と大魔王の主従が話し込んでいる間に、レイブは駆けつけてくれたラマスに現状説明と彼女に実行して欲しい要望を伝え終わったらしい。

 にしても、魔神とか言って配下の悪魔を階層的に支配している悪魔ともなると揃って分析好きになるようだな……
 アスタロトだけではなくバアルやルキフェル、サタナキアにもそう言った言動が散見されていたと記憶している。

 恐らくだが、他の存在に比べて永遠の命を持ってしまっている辺りにその理由、議論や研究、分析や考察を好む原因があるのではないだろうか?

 平たく言えば、長い間絶対的な権力者として君臨し続けたせいで日々の生活に刺激不足を感じてしまった、そんな所ではないだろうか。
 凄く簡単に言い換えれば、暇なのでは、いいや暇なのだ。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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