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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1390.キマイラはどちら


 有無を言わさぬ感じのレイブの言葉にぞろぞろと移動を始めようとした時、不承不承丸出しでいやいやムード全開のパダンパを取り囲む様に立ちはだかる一団があった、ミロンとブロル、それにシュカーラが率いた獣人たちである。
 手に手に武器や農具を構えた姿からは、殺ってやる、そんな確かな覚悟が滲み出されている。

「おろ? どうしたんだお前等?」

 足を止めキョトンとした表情を浮かべるレイブの後ろでパダンパが唸り声と共に洩らす。

『グルルル、叔父さん、こいつらが件の化け物キマイラ共ですよ、グルルルル』

「あーそっか」

 身内認定で簡単に受け入れた自分達だけで無く、つい先程まで互いに命懸けで戦っていた面々との対面である。
 それもパダンパだけで無く獣人側にも少なくない怪我人を出している。

 その上、ここは彼等の里、クルン=ウラフのアイユである。
 思う所どころかもっとはっきりとした敵意と警戒を露わにした獣人達に対して何と説明した物か? レイブの思索が終わるのを待たずに発言をしたのは、先頭に立つシュカーラであった。

「勝手は困りますレイブさん、その化け物には何人も傷つけられているんですからね」

「む、聞いてたろ、俺たち皆の身内、甥っ子なんだよ」

「ええ、そうみたいですね、でも自由に動き回らせる訳にはいきませんよ! せめて危険が無いとこちらが納得できるまでは大人しくしていて貰いますからね」

「大人しくって、どこで?」

 レイブの問い掛けに答える間も、シュカーラは油断なく武器を構えたまま、キャス・パダンパから視線を逸らす事は無い。

「そうですね、取り敢えず後ろの溝へ戻っていて頂きましょうか、そうして置いて皆さんのお話を伺います」

「溝? 罠の中へか? いやいや、あそこメチャクチャ汚いんだぞ? だから今から洗いに行くって言ってんじゃんか」

「ご辛抱頂くしかありませんね、こちらとしては里人全員の安全が関わっておりますのでここは譲れません!」

「いや、だけど――――」

『話し合う必要なんて無いですよレイブの叔父さん! こいつらに落とされて俺は怪我を負ったんだから! やっちゃいましょう! なーに、叔父さんたちが力を貸してくれれば簡単ですって!』

「お前は少し黙っていてくれないかな?」

『何でです? どちらが敵かなんて一目瞭然でしょ? 見て下さいよこいつらの醜い姿と言ったら! 化け物じゃないですかっ!』

「いや、見た目的な事は――――」

「良くもそんな無礼な事をっ! 我々はクルン=ウラフの誇り高いニンゲンだっ! 貴様こそ醜悪なキマイラの化け物、モンスターの癖にっ! 文明社会から出てさっさと化外の地へ帰れ! この化け物めっ!」

「おい、言葉を荒げたら纏まる話も纏まら――――」

『ニンゲンだとっ? 貴様等のどこがニンゲンだっ! この魔物共めがっ! 竜王の里が誇る魔獣隊長の名に懸けて、俺キャス・パダンパが引導を渡してくれるわっ!』

「おまっ! ちょっ――――」

「聞いたでしょうっ! 遂に正体を現した、それ見なさい、あの凶暴な物言いと態度をっ! 神敵必滅っ! 行きますよ皆の衆っ! 狩りの始まりですっ!」

「ばっ! ちょまっ――――」

『ガオォーッ!』

「シャーッ!」「フーッ!」「ウーッ!」

「………………」



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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