【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第二部 五章 続メダカの王様
862.獣人誕生
何と言う事だろうか、この場所に集っている亜人っぽい奴等は…… 私の弟と妹、だったらしい……
親父が異常性欲者で有ったと言う事実が、まさか、こんな……
私の時代に確かに存在している、獣人やリザードマン、彼らの誕生秘話に直結していたとは……
これまで、特段の接触は無かったのだが…… 今後は認識を改めてみる、そう言わざる得ない事態である、だって、弟や妹の子孫なんでしょ? 親戚じゃん……
諸悪の根源、バカヤロウは私と違ってノンストレス、爽快な顔で言いやがった、ムカつく……
「まあ熊たちは間に合いませんでしたが一緒に連れて行きます、どこか暮らしやすそうな場所を見つけたら子作りに励みますよ、それに世界にはまだまだ沢山の哺乳類や爬虫類の野獣や魔獣たちが居ますからねぇ、頑張りますよぉ、目指せコンプリートっ! です、なははは」
ナッキは無表情のままで答える。
「ほどほどにした方が良いよ、それ、意味とか無いんでしょ?」
爽やかだった表情から一転して不思議そうな顔を浮かべて諸悪の根源が言う。
「意味? ですか? はて、そんな物必要ないじゃ有りませんか! 前にも言っていますよね? 私は動物が大好きなんですよ」
そう言って白い歯を見せるバカヤロウから目を逸らしながらナッキは別れを告げる。
「さようならナガチカ、と皆さん、もう二度と会う機会はいらな、グフン無いと思うけどお元気で」
サニーはナッキの陰に隠れながら小さな声だ。
「さ、さよなら、うぇっ、キモ……」
「そうですね、こうしている間にも妻と息子が帰って来んとも限りませんし、では、御機嫌よう! 皆ぁ、出発だー!」
言葉を合図に出発していくナガチカとジローユイ、それに弟妹たち……
私ほど複雑な気持ちでは無かったのだろう、揃いのリュックを背負い、ゆったりとした足取りで去ってゆく彼らの背中を、ナッキはやや厳しい目つきで見つめ続けている。
その表情はまるで、気が変わって戻ってこない事を祈り続けているようであった。
「行ったようですな、困った奴だと思ってはいましたが、いざ、こうなってみると些か寂しいものですじゃ」
「長老?」
背後から聞こえた声に振り返ったナッキの目には、一昨日の夜、副王に就任したキトラの姿が映る。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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