【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1014.努力の結果
バストロ学院の雑用係、レイブ達スリーマンセルがラマスやそのスリーマンセル、エバンガやカタボラに出会った日から二ヶ月が過ぎた。
そう、出会ったばかりの十二歳の少女にレイブが唐突な求婚からの何と無くキープされる存在になってしまった日から六十日が経ったのである。
慣れとは恐ろしいものだ……
この二月の間にラマスのスリーマンセルは驚異的な変化を遂げてしまっていたらしい。
曰く、
「ぷはぁっ、苦いぃ! んでも、もう一杯ぃ!」
「大丈夫かいラマス? 無理しちゃいけないよ」
「大丈夫ぅ! おっとぉ、来たか? 来たわね! そら、グルグルグルゥ、くぅっ、今日は中々ぁ、うーんグルグルグルグルゥッ!」
「良し良しっ! その調子で頑張れ、頑張れぇ!」
小屋の少し奥でも同じ様なやり取りが聞こえる。
『大事無いかカタボラ?』
『ファファファ、ヨユーヨユー、ウゥゥ、ゴメン、チョット、ケズッテホシイカ、モ……』
『ふむ、レイブ、頼むっ!』
「あいよっ!」
小屋の外ではもう少しのんびりとした空気が流れているようだ。
『どう、大分慣れたかな? エバンガ?』
『ええ、お蔭様で何とか対応出来たと思いますわ、ペトラさまのお蔭ですわね♪ う、うん? あらやだっ、グルグルグルっとぉ、うん、大丈夫ですわ♪』
『やるわね♪』
僅か十年程だけ年長なエバンガはこのサプライズ、死ぬかもしれない試練に一番上手く対応出来たようで、遥かに幼いペトラが発したお褒めの言葉にご満悦な様であった。
色々言いたい事はそれぞれ有っただろうが、カタボラはスッキリ、エバンガも嬉しそう、一人苦しみ抜いたラマスであったが、漸くグルグル言うのを止めたタイミングでレイブが馬鹿みたいに大きな声で叫ぶ。
「やったなぁ、ラマスっ! 今日は初めて粉薬に頼らずに最後の一滴まで飲み切れたじゃないかぁっ! 凄いよラマス、俺がこんな事を成し遂げられたのって十歳位の時まで掛かったからさぁ、それを僅か二ヶ月位で辿り着いちゃうなんて、ラマスは天才だよ、全部飲み干すなんて凄い事だよっ! だってラマスはまだ――――」
『ちょっ、レ、レイブお兄ちゃんっ!』
慌てて言葉を挟んだペトラに顔も向けずにレイブは答える。
「何だよペトラ~、腰を折らないでくれないかなぁ~、今ね、頑張って結果を残したラマスに祝福と賞賛の言葉を掛ける所なんだからぁ~、空気読んでくれよぉ、全くぅ~」
『え、で、でも……』
全て判っている、そんな達観し捲った表情(大体いつもそう)を浮かべながらギレスラがペトラに声を掛ける。
『黙っていれば良いペトラ、いつもの事であろう…… こんな時我々に出来るのは只々、フォローの準備しかないであろうが? なあぁ?』
ペトラも下唇を噛み上げながら口惜しそうに答える。
『た、確かに…… 無念だけど、次善の策ね、判ったわギレスラお兄ちゃんっ!』
「もう良いかい? ラマスも待ちくたびれちゃってんじゃんっ! ギレスラァ!」
ギレスラはそっぽを向いたままで答える。
『ああ、お待たせしたなレイブ、ではラマスに思いのたけを伝えてみるが良い、はあぁ~、全く……』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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