【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1418.Re.話し合い
「そっか、確かに殺すよりも、これからダソス・ダロスが喜んだ方が良いわね、そっかぁ」
「だろ? 罰を与えたり復讐したりさ、気持ちは判らなくも無いけど過ぎた時間は帰って来ないからな、だったら先の時間を良くする方がお互いに気持ちが良いだろ?」
「でも、ダソス・ダロスがあのまま死んじゃっていたら…… その時はどうしたら……」
うん、あるよね、そーゆーシチュも。
「殺そうと思って殺した奴ならやり返す気持ちも判るけどさ、知らずにとか不可抗力とかだったら難しいよな…… アレじゃないか、ダソス・ダロスが喜ぶだろう事を選ぶしかないんじゃないかな?」
「なるほど」
『因みに私はガトにも皆にも仲良く生きていて欲しいと思っている…… 生きてるけど……』
「「「「「『森王』様……」」」」」
「だよな♪ 本当、お前も皆も生きてて良かったぜ♪」
考え方は稚拙かも知れないが、それなりの生き方がレイブの中には確立していたらしい。
ふふふ、こんな時代だ、数少ない陣営内では、なるべくなら争い合うより力を合わせて欲しい物である、ふふふふ。
なんとなく和気藹々のほんわかムードが漂う中、キャス・パダンパが遠慮気味に口を開く。
『あの、で、どうします?』
そうだ、何も決まっていなかった……
結局振り出しに戻った、と言うか一歩も進んでいなかった『これからの話』は紛糾した。
碌なアイディアが浮かばないままダソス・ダロスの『やっぱり私が』発言が再登場してガトが否定。
タロースによる破壊案こそ提示しなかった物の、誰かタフな者に代わりを頼もうと言い出してすったもんだだ。
丁度良い悪魔を一々選定してみたり、バストロ学院から誰か来て貰うだとか、レイブからラマスに『存在の絆』通信で頼むだー頼め無いだー、キャス・パダンパにやらせる話は竜王への取り次ぎ役だからと即却下、終いには魔獣としてはまだまだ小柄なぺトラで試すだのなんだの不条理な案まで飛び出す有様だ。
いつの間にか誰が貧乏くじを引くか、その押し付け合いの様相を呈して行ったのである。
中々進まない議論の中、全員が沈黙した場面でシュカーラが新たなアイディアを提議する。
「参考までに聞きたいんですが、ガトさんの『偽神』と『乱用』って姿形だけじゃなくてスキルの行使も出来るんですよね?」
レイブは即座に返すがあからさまに不機嫌な顔だ。
「だったら何だよ…… あれな、お前らには化けた奴に見えてるみたいだけどな、俺達スリーマンセルからは通常サイズのガトがふざけている様にしか見えてないんだぞ? お前まさか…… ガトにやらせるとか言い出す気じゃないだろな?」
「い、いいえ、あくまでも参考までに聞いただけですよ! 参考までに……」
そう答えながらもチラチラとガトの様子を横目で確認しているシュカーラ、めちゃくちゃ判り易い奴である。
『あんたソレ…… 本気で言ってんの? はぁ~、それこそ人でなしじゃない! 呆れ返るわっ!』
「いやいや違いますってぇ! 誤解ですよ誤解っ!」
『見た目のまんまで冷血漢なのだ…… 人の温もりを持ち合わせていないのだな、同じ爬虫類ベースとして恥じるばかりなのだ……』
「私、ニンゲンですよ? 憶えてますか?」
『どこがよ!』
『見た目を除外しても心根がもうな…… 蛇蝎の如くのダなのだ、ダ!』
「……酷くないですか」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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