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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1356.腰


「へー、コーフクナガチカ、コー」

「コーフクナガチカですってぇ!」

「な、何っ?」

 再開した声を制止した大声の主は虎の獣人ミロンである。

「始祖様の名前ですよっ! ユイ様ジロー様の主で我々クルン=ウラフのニンゲンの遠祖とおおや様です!」

「お、おう、そうなんだな…… えーごほんっ! 又腰を折っちゃったな、続きを頼む」

「う、うん、読むわよ? えーっと、コーフクミユキ、コダイ、タツヤ、ウィ」

『グガアァッ! す、スターゲイザーだっ! レイブっ! ペトラっ! コダイとタツヤだってっ! アスタさんスターゲイザーの事を知っていたのだな、なっ? ガガァっ!』

「あ、ああ、まあ昔の知り合いなんだろ? ふぅ~、またまた腰を折ってしまったじゃないか、ガト、読み進めてくれ」

「良いの? えーっと、キャサリン・シュガーフィールド、ウィリアム・スミス、ユウキペジオ、オト」

『う、ウィリアム・スミスっ! それにペジオっ? ヌホォー、鎧壁のレと同じ名前だぁ! それにぴょん壁ウサギのペジオと同じファーストネーム? 無関係とは思えないぞぉ!』

 今度はダソス・ダロスが叫びを上げた。
 もう腰はバキバキの粉々に砕けっぱなしだ。

 流石に業を煮やしたレイブは、全員に対して厳しい注意を促さざる得なかったのだ。

「皆、知っている名前もあるだろうけどさっ、取り敢えず最後まで聞いてからにしようぜっ? 途中で不規則に発言してたらいつまで経っても終わらないじゃないかぁっ! 静かに聴くようにっ! 判ったねっ!」

 レイブ以外のここにいる全員が思った。

――――お前が最初じゃんっ!

と……

 思ったが、思ってしまっていたのだが、この場にいたメンバーのほとんどが立派な大人である。
 最も年少に見えるペトラ(肉体年齢十二才)でも精神年齢的には千才を遥かに越えているのだ。

 中年の入り口で分別をわきまえているミロンとブロルが沈黙を頑張る中、一番お子ちゃまなギレスラの手は両サイドからペトラ(千+十二+α)とガト(中身込みだと測定不能)に握られた事で抑止され、レイブが望んだ通りに静寂の中続きの読み上げを待ったのである。

 ギレスラの手を取ったままのガトが反対の手でズタ袋を持ち上げ、高らかに読み上げる。

「えっと、オトナリペス…… 旅立った者は以上だわね」

 継続する沈黙。

 別にレイブの注意が行き届いていた訳では無い。
 彼以外の全員が同時に思っていたのである。

――――それ、誰?

と……



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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