【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1565.ディスカッション
発言の後、考え込んでいる二者に代わり口を開いたのはドラゴンの中では希少種なニーズヘッグ最後の生き残り、ギレスラである。
『確かにドラゴンの住処ならどこもそんな感じであろうな、と言う事は、だ』
ペトラが頷きながら兄に続く。
『既にハタンガに向けて進発しちゃったとかかしら? だとしたらヤバイじゃ済まないわよ! どうするの?』
パダンパは首を傾げながらも自分なりの意見を返す。
『いや、俺の帰りを待たずにそれは無いっすよ、もし何か事情があって全軍を動かしたとしても俺達が来た道ですれ違う筈っすから! 地竜一頭、飛竜一匹見掛けないなんて有り得無いでしょ?』
『うーん、じゃあ何でだろ、安息日とか?』
『ドラゴンにそんな習慣は無い筈だがな…… 信仰の対象はヒュドラ様一柱、それに慈父ユウキシと賢母ユアチャン、後は伝説の真なる聖女と聖魔騎士だけなのだ』
「それってコユキと善悪の事よね? うん、確かに決まった日に休む様な生き方はしていなかったわ」
あの二人は特別だろ? そもそも一人は最初働く事すら拒絶していたからな、毎日が安息日だった筈だ。
『なのだ』
『では一体何があったのであろうか…… まさか全滅、とか? ほれ兄貴、魔力災害でも起こったのでは無いか?』
ダソス・ダロスには縁起が悪いとか言い当てるとかは無い様だ。
「うーん、どうかなぁ、なにせドラゴンだぞ? 仮にそんな事があっても何頭かは飛んで逃げ果せそうだけどなぁ~」
確かにな、それに最悪卵からやり直せば良いだけだしな。
『叔父さんの言う通りっすよ! それに俺と同じ魔獣達だったらもっと上手に逃げ出している筈っすよ? ドラゴンみたいに愚図じゃないっすもん!』
あっ……
『何だと、ドラゴンが愚図?』
ほら!
『そうっすよ? 図体はでかいっすけど動きとか鈍いじゃないっすか! 勿論ギレスラ叔父さんは違うっすけどね、飛ぶのも上手いし、叔父さんは例外っすよ?』
そうかもだけどこいつパダンパも少しは気を使えばいいのに……
『むうぅ、複雑なのだ』
『ほ、ほら、それだけギレスラお兄ちゃんが凄いって事じゃ無いのかな? 他のドラゴンが愚図に感じちゃう位にってさっ! 相対的な話なんじゃない? ねっ』
ペトラも気苦労が絶えないよな、同情を禁じ得ない。
自由闊達と言えば聞こえは良いが、所詮無秩序なダベリ合いなのだ、話が横道に逸れる事甚だしいなコリャ。
上手く纏まれば良いのだが、果たして……
「あのさぁ、ここで話していてもしゃーないじゃんね? 行ってみれば判るっしょ、ごめんだけど」
ウータンばっさり。
「だな、兎に角皆の避難が先だな! その後で俺達スリーマンセルで見てくるわ、パダンパ! 道案内頼むな」
『ういっす』
ウータン、いやハンペラだったか…… 中々やるな、これからも議長役でイケそうじゃないか。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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