【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1216.矢継ぎ早
『レ、レイブ……』
『嘘、レイブお兄ちゃん、そんなっ!』
『ギギギ……』
それぞれ最後まで話し終える事は出来なかった。
あの高さから叩きつけられたのだ、空を飛べぬニンゲンにはどうしようもない、それが明らかだったからだ。
「ちきしょう、痛え」
『ンガッ?』
『ブヒッ!』
『ギッ!』
むっくりと上半身を起こしたレイブの頭頂には見事な瘤が拵えられていた。
『痛いって、良くそれだけで……』
『見事な瘤だけど…… てっきり駄目だと思ったわよ?』
レイブは自分の頭の瘤をそっと撫でながら答える。
「ああ、俺ももう駄目だと思ったさ! 駄目元で部分鋼体術を起動するしかないかな、位は思っていたんだけどな? でも、アレって武器とか相手の攻撃がぶつかる場所のみが硬質化するだけじゃん? 衝撃が首とか脊椎とかやるだろうからさ、ああ、これ死んだなぁ、そう思っていたら不意に浮かんだんだよ、んで唱えたんだ」
ギレスラは表情にハテナを浮かべて聞く。
『唱えた? 何を』
「ああ、意味は判らないんだけどな『エクスプライム』って言葉さ、唱えた直後岩に激突したんだけど、ほれ、生きてたんだよ」
『むー、訳が判らんな』
長い首を傾げて考え込むギレスラに代わって言葉を発するのはペトラだ。
『不意に浮かんだって事は神様、アスタさんのお告げとかじゃないの? だとしたら生きてる理由にもなるじゃない! 『反射』みたいなスキル? の一つかも知れないわよ!』
「なるほど、かも知れないな! 何にせよ助かって良かったよ♪ お前等も無事で良かったな、ギレスラとテューポーンに感謝だな、ペトラ?」
『うん、そうね! ありがとうギレスラお兄ちゃん、テューポーンさん、それとレイブお兄ちゃん!』
ペトラの素直な言葉を聞いたレイブは笑顔を浮かべながらの首肯を返事とし、実際の効果に甚だ疑問が残るテューポーンは胸を張って誇らしそうにしていた。
ギレスラだけはペトラの全身に視線を這わせながら返す。
『グガッ、ペトラが太っているぞ』
『もうっ、まだ言うのねソレ! 失礼しちゃうわねー全くー』
「あはは、ギレスラー、ペトラだって女の子なんだぞー、少しは乙女心ってヤツを――――」
『違うぞっ! 今、現在進行中で太っていっていると言っているのだっ!』
「へ?」
なるほど、地上に着いてからの僅かな間にペトラはかなり太って、いいや膨らんでいるように見える。
それに良く見ればギレスラ自身の全身も一回り分厚い鱗に覆われ始めている事も判るし、レイブの手指の辺りもゴツゴツとした石的な質感に変わりつつあるような…… これは確か……
『ギーッ! ギーッ!』
「おわっ! ヤバイ石化じゃないかっ! ペトラ、ギレスラ急いでグルグルだっ! 死ぬぞっ! ぐるぐるぐる」
『っ! ぐるぐるぐる』
『ぐるぐるぐるぐる』
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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