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『鏡の国のアリス』のチェス問題⑤(詩との関連1)

チェス手順と詩との関連です。今回は"Jabberwocky"の第2連~第6連について。

4行×5連=20行が基本的に1行=1手の比率でチェス手順に対応しています。

1行目(第2連1行目)=1.○Nd4
Beware the Jabberwock, my son!が「花壇の中央の木が敵を追い払う」に対応。

3行目(第2連3行目)=3.●Nd5
Beware the Jubjub birdが「ナイチンゲールの来襲」に対応。ちなみにナイチンゲールの鳴き声は"jug, jug"だそうです。

4行目(第2連4行目)=4.○Qd4
Bandersnatchは、bread and butter(白の女王の台詞)を縮めたものと考えられます。

7行目(第3連3行目)=7.●Ke5
The Tumtum treeが羊の店の樹木に対応。

10行目(第4連2行目)=10.●Ne7+
The Jabberwock, with eyes of flameがd7の白のポーン(アリス)の隣のマスに移動した赤のナイトで表現されています。

11行目(第4連3行目)=11.●Kg7
through the tulgey woodが「森の中の樹木の影」に対応。

13行目~16行目(第5連1~4行目)
=13.○Ne3+~16.○Ne3+
One, two! One, two! And through and throughからHe went galumphing backまでが、白のナイトが円軌道を描く手順に対応。
最後のbackが白のナイトの移動終了を表現しています。

19行目(第6連3行目)
=19.●Qe8、20.○Qa6+
O frabjous day! Callooh! Calley!
19行目は1行が2手に対応。
ウェールズ語のLLは「ル」と「スル」の間のような独自の発音で、英語圏では[θl]と表記することもあります。このことから、
Callooh→「キャッスルー」→castle
Calley→「キャリー」→carry
castleは19.●Qe8(女王たちの入城)、carryは20.○Qa6+(白の女王がスープ皿に載って運ばれる)となります。

20行目(第6連4行目)=21.○Q×e8#
He chortled in his joyが勝利の喜びを表していますね。

このように、『鏡の国のアリス』の作中詩や新聞記事などの多くはチェス手順に対応していると考えられます。

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