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「ひとりひとりの人生がこんなにも愛おしいのか」成人式を創る側から見たあたたかい情景


1994生まれ。ゲストハウスでのウェディングプランナーを経験後、場所や形式に捉われない自由でふたりらしいをつくるためにオリジナルウェディングのプロデューサーに転身。
HAKUBrandMgerMgrに就任後、KeuzesとKeuzesWeddingを立ち上げる。現在はフリーのイベントプロデューサー。

まずはじめに

私は今年1月に行われたkeuzes主催のSEIJIN-SHIKI のプロデューサー、柴田です。
keuzesと共に数ヶ月に渡って進めてきたプロジェクトから11ヶ月が経ち、また今年も開催できることになった今、もう一度忘れられないあの日を振り返りたいと思い書き始めました。
運営サイドから見たあの日の情景を少しでも知ってもらえたら嬉しいです。


このSEIJIN-SHIKIにこめた想い

ちょうど一年前。どんな風なイベントにしようかと構想を練っていた時に、田中さんから成人式に行かなかった背景などをヒアリングさせてもらったんですね。

私の記憶の中での成人式って楽しいもので嬉しいもので、一年前から振袖を選び、半日かけて前撮りをして、3ヶ月前くらいからは同窓会の企画が始まって、成人式1週間前は祭りみたいな日々を送っていて、当日は朝から晩まで色んなコンテンツが詰められていました。きっと成人式に参加したことある方は身に覚えがあるはず。

そんな成人式を知らない田中さんとの会話の中で、成人式に対してとってもネガティブなイメージを持っているのをひしひしと感じて。
「そもそもこういうイベントってめんどくさいじゃないですか」と一言。
確かにね、こういう式典ってコンテンツ自体は楽しいものではないしね、別出席しなくてもね誰も気づかないようなイベントだしね、と納得しながらもその「めんどくさい」気持ちを掘り下げていった時に “ めんどくさいの根元 ” が見えてきたんですよ。

・振袖ってキャラでもないし、じゃあ何着るの?
・自分の着たいもの着たところで変に目立つんじゃないか
・振袖着ないのに参加するなんて親に言おう
・転勤族だったからこの場所で開催される成人式参加に対しての意味づけ
・行っても行かなくても変わらないかな

もうこれって行くのがめんどくさいではなくて、今ある成人式へのシンプルな不満なんだって。
現に田中さんは行かなかったことを後悔しているし、私の成人式エピソードを聞いたりして「行ってみたかったな」なんて言ってる。

私たちが行きたいと思えるような、あの日が最高に楽しかったと思えるようなそんな成人式を創ろうと決めました。
日本の新たなスタンダードになるように成人式をアップデートする願いを込めて、イベント名はSEIJIN-SHIKIに。


Episode - 行ってらっしゃいの勇気 -

総勢120名の参加者が当日全国各地から集まってくれました。
友人と参加をしてくれた方々もいましたが、半分以上が一人で参加。
"きっと色んな不安を抱えながらも参加してくれるんだろうな"と参加者の気持ちを想像しながら私も受付が設置されているスペースに向かっていました。

受付前でなんだか話し込んでいる3人組。
そっと近づくと話し声が聞こえました。
「大丈夫大丈夫!今日の格好めちゃくちゃかっこいいよ!」
「そうだよ!自信持って行ってきな!!」
どうやら3人組の一人がこのSEIJIN-SHIKIに参加するのを見送ってくれたようです。
友人のいってらっしゃいが勇気に変わったのか、受付へ並ぶことができた参加者。
(私の心の声)めちゃくちゃ素敵な友人持ったね…涙

その後に受付に近づいてきた家族。
遠方から参加してくださったのか、大きめのキャリーケースを転がしていました。会話は聞こえなかったけれど、お父さんとお母さんとそれぞれ握手をして参加者が受付へ並びます。
(私の心の声)おーい!君は気付いてないようだけど、ずっとお父さん、お母さんが隠れて見ているよー!涙

参加する勇気も参加させる勇気も全部ひっくるめて受付ではたくさんの「行ってらっしゃい」が溢れてた。開始前から私が勇気をもらったな。

Episode - 決意の入場

これはもう言葉でなかなか伝えられません。(ごめんなさい)
でも運営に携わっていたスタッフが口を揃えて、「入場があかんかった(いい意味で)鳥肌たった」と言ってくれた。
私も入場してきた時の参加者の表情と空気感が忘れられない。本当に。

まず入場ってなんですか?という話ですが、今回のSEIJIN-SHIKIは参加者が主役であるということをとても大切にしてきました。
「行っても行かなくても変わらない」を払拭するには、あなたがここに来た証を一つで多く残したくて、そのメインのコンテンツがこの入場でした。
サポーター(今回ご協力いただいたインフルエンサー)の方が両腕振って拍手してお出迎えする、そこに参加者の入場がある。
きっと参加者はこの演出にびっくりしたと思うけれど、みんなが一歩一歩歩んでくる姿はとってもかっこよくて誇らしかったです。

Episode - 拍手喝采のエンディング

色んなコンテンツが結び、最後は全員での集合写真。
この写真は集合写真後の一枚。

すごい画だと思う。
主催者もサポーター(今回ご協力いただいたインフルエンサー)も参加者もスタッフもみんな入り混じってお互いに拍手を送り合っている。
SEIJIN-SHIKIが結んだ後、なんだか体育祭が終わった後みたいな達成感と一体感と心地いい疲労感(いい言葉が見つからないけれど、勇気を振り絞った後のホッと一息の感じ)が漂っていた。
(私の心の声)田中さん、この景色が見たかったよね。

私たちが創るSEIJIN-SHIKIとは

「私の人生はこんなにも愛おしいものだ」
大切な節目にこう思えることは幸せなことだと思う

成人式をただの通過儀礼にはしたくないし
未来はこんなにも自由なんだって、
過去があるから今があるって思えたら
きっと強いと思うんです。

あの日私がみたのは
ひとりひとり、それぞれの人生があって
そのどれもが愛おしいものだと感じる情景だった。

今年はどんな愛おしい瞬間が見られるのか、
誰かの勇気や決意、家族の愛や大切な人を思う気持ちが溢れるのか、
今からとても楽しみです。

SEIJIN-SHIKI by keuzes はこちら https://keuzes.co.jp/seijin-shiki

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