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[36. 浦和レッズ戦] 2021年J1リーグの横浜Fマリノスをデータ分析する日記

代表戦での中断明けとなった浦和レッズ戦。前節FC東京に対して大量得点で勝利したマリノスは、2位を確定させるために勝利したい試合でした。そんな浦和戦の得失点データを振り返ります。

■Topic
1. セットプレーでの失点が今のマリノスの弱点!?
2. 前半終了時点で負けている試合での逆転率は12.5%!?
3. 途中出場選手の活躍が目立つマリノス、来年の大会ルールが懸念点か?

得失点データ

■1失点目(0-1 FKからの得点)

得点者

アシスト者

準アシスト者

FK獲得者

FK提供者

2失点目(0-2)

得点者

アシスト者

準アシスト者

ボールカット者

ボールロスト者

1得点目(1-2)

得点者

アシスト者

準アシスト者

ボールカット者

なし(スローインからの得点のため)

ボールロスト者

なし(スローインからの得点のため)

1. セットプレーでの失点が今のマリノスの弱点!?

1失点目はFKからでした。今季のマリノスの弱点の一つは、「セットプレーでの失点」です。浦和はこの弱点を狙っていたのでしょう。FKを獲得したのは、スピードのある大久保選手でした。リカルド ロドリゲス監督は2列目の選手に足の早いドリブラーを3名(大久保選手、関根選手、田中選手)配置し、マリノスゴールに近い位置でのFK獲得やカウンターでの得点を狙っていたと思われます。

今季のマリノスがセットプレーが弱点と言えるのは、過去2年分のデータと比較すると明確です。

---2021失点シーン---   ---2020失点シーン---    ---2019失点シーン---
PK: 4                PK: 4                PK: 2
FK: 4                FK: 3                FK: 2
CK: 6                CK: 6                CK: 3
Play: 20             Play: 46             Play: 31
---------            ---------            ---------

今季のセットプレーでの失点率(CK and FKでの失点数 / 合計失点数)は約29%。対して、2020年は約15%、優勝した2019年は約13%

過去2年分と比較すると、今季はセットプレーでの失点率が2倍近い数値です。ここから、今季のマリノスはセットプレーでの守備が弱点と言えます。この弱点をしっかりと狙ってきた浦和レッズの賢い準備が見られた試合でした。下記の記事でも、「デザインされていたFK」と紹介されており、入念に準備していたことを感じさせます。

マリノスにとっては、「セットプレーでの守備」が来年度に改善したい課題の一つとなりそうですね。

2. 前半終了時点で負けている試合での逆転率は12.5%!?

浦和レッジ戦は、前半で先制点を許し、負けた状態で前半を終えました。今季のマリノスは、逆転する試合数が極めて少ないです。下記の先制点を取られて前半終了時点で負けていた試合一覧をご覧ください。

# 先制点を取られて、前半終了時点で負けていた試合
第1節 川崎戦   0-2 負け
第2節 広島戦   3-3 引き分け
第27節 鹿島戦  0-2 負け
第29節 名古屋戦 1-2 負け
第30節 横浜FC戦   2-2 引き分け
第32節 札幌戦  2-1 勝ち
第33節 C大阪戦  1-2 負け
第36節 浦和戦  1-2 負け←New!

試合一覧をみると、全8試合中、逆転できているのは、札幌戦の1試合のみ。前半を負けている状態で終えると逆転できる可能性は12.5%しかない計算になります。つまり、逆転できない可能性が87.5%と言い換えることができます。上位チームとして、「前半に負けている試合のうち、87.5%は逆転できてない」は弱点の一つといえるでしょう。特に、マスカット監督になってから、前半を負けて終える試合が6試合(上記の鹿島戦以降の試合)もあり、その6試合のうち4試合は負けています。リードされる展開での試合運びがマスカット監督の課題の一つでしょう。

あくまで主観ですが、マリノスが逆転する回数が少ない理由は、リードした相手がマリノスの攻撃を対策しやすいことだと思っています。リードした相手チームは「マリノスのポゼッションサッカーに対して守備を固め、隙を狙ったカウンター攻撃で仕止める」という対策の型がある程度できあがってきたと数試合見て感じています。詳しくは、シーズン終了後に全試合の得失点データを基に考察しようと思います。

3. 途中出場選手の活躍が目立つマリノス、来年の大会ルールが懸念点か?

今節のマリノスの1得点は、交代出場の水沼選手のアシスト、レオセアラ選手の得点で生まれました。この得点により、水沼選手は10アシスト目、レオセアラ選手は10得点を達成(個人で作成したデータセット上での数値であり、公式データと異なる場合があります)。サブに2桁の記録を持つ選手がいるマリノスの選手層の暑さが表れています。

交代選手に頼ることが多いマリノスですが、来年度は1つの懸念点があります。それは、大会ルールの改訂です。今年度の大会ルールをまとめたJリーグの公式サイトの記事を確認します。

今シーズンも昨シーズン同様、コロナ禍において選手への負担が大きく試合日程も過密であることから、選手の怪我を防止するために選手交代は5人まで可能となっています。

上記の文面から「コロナでの選手への負担」と「過密な試合日程」の2つの要素から5人までの交代が可能になったと読み取れます。

「コロナでの選手への負担」は、感染者が減少傾向にあることから、徐々に負担も軽減されることが予想されます。
「過密な試合日程」は、来年度のJ1は20チームから18チームへ戻り、リーグ戦が4試合減ります。その結果から、過密さはある程度軽減されると予想されます。

コロナの影響がまだ残っていますが、上記の内容を踏まえると来年度に交代枠が3人に戻る可能性も十分にあり得ると考えています。とはいえ、ACL参加チームは海外遠征等の影響(隔離生活による負担等)も考えられるため、今年度のルールのまま来年度も運用する可能性もあります。

交代選手による活躍が目立つマリノスにとって、来年度の選手交代のルールから受ける影響は大きそうですね。

注意点

今回分析で使用したデータセットは私個人が作成したデータセットになっており、公式記録とは異なります。そのため、誤ったデータが含まれている可能性があることや、人によって解釈が異なるデータも含まれていることにご注意ください。データセットの作成方法や中身に関しては、過去の記事で公開しておりますので、ご確認ください。

終わりに

浦和レッズ戦のデータをまとめて振り返りました。

1. セットプレーでの失点が今のマリノスの弱点!?
→前年度と比べセットプレーでの失点率が
2倍ほど高くなっており、今のマリノスにとって課題の一つである。

2. 前半終了時点で負けている試合での逆転率は12.5%!?
→前半終了時点で負けている試合8試合中、逆転できているのは、札幌戦の1試合のみ。

3. 途中出場選手の活躍が目立つマリノス、来年の大会ルールが懸念点か?
→コロナ感染者減少による選手への負担軽減と、J1チーム数減少による試合日程の緩和により、3人交代ルールに戻る可能性も。

記事を読んでいただき、ありがとうございました。わかりづらい点や感想などございましたら、ご指摘をお待ちしております!



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