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詩)海岸沿いを歩く

波音に歩みが異音を刻む
砂浜は頼りなく
進めば爪先つまさきから沈み込む
美しくはない緑と灰色の混じった波
一定の律動リズムに深く落ちる

表皮は剥がれ尖りを無くした骨
乱雑に散らばって
不揃いに調和する

ぼやけた白は面影を失くし
言葉も海の藻屑もくずに消えた
何処どこから流れ着いたのか
ただ、そこに佇むたたずみ

過ぎ去る刻の中に崩れ落ち
踏み締められるだけの為に
風にさらされ砂にまみ
頼りない地面に変わる

冷たい風と心地よい波音の中
陽の隠れた空の下を
私はゆっくりと歩いていた

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