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詩)演じているのは

いつの頃からか演じていた道化
自分を見せる事よりも
周りが笑っていてくれる方が楽だった

何処かヒネた所のある自分は
可愛げがなく誰からも愛されない事を
わかっていたのかもしれない

本当は誰かに愛される事を誰よりも
欲していたというのに
いつの間にか侵食される自分
道化を演じているのか
道化が演じているのか

誰にも気づかれなくなって
自分は何かの混じり物になった
引きつった笑顔と引き換えに
哀しみをなくしてしまったのかも知れない

時折、飛び出す感情に
驚きの色を隠し切れずに
右往左往する事もあったが
道化に囁かれ
また、薄ら笑いを取り戻した

誰かに見つけて欲しいのに
誰にも見つからないようにする矛盾
心地良さと疲労に塗れて
また、夜を過ごす

明日になればネジが巻き戻される
次の朝に目を覚ますのは
道化を演じる自分か
道化が演じる自分


最後までお付き合い頂きありがとうございます。
宜しければ、ご感想など頂けましたら幸いです。
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先月のスキが多かったBEST5↓
https://note.com/kesun4/m/m746333a518a1


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