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詩)カサツクかさつく

訳もわからずカサツク
舟虫が集っているような
払い退けても払い除けても痒みが残る
水を飲んでも酒を飲んでも満たされず
無心に掻きむしれば赤い血が垂れた

溢れる言葉は救いを求めて
まとわり付き媚びた姿を晒した
乾いた心は敏感で
押しつけられた矛盾に過敏に反応し
生まれも知らぬ苛立ちが積もる

箱の中から聞こえるお決まりの数字にさえ
漠然とした不安と無力感に苛まれ
血の滲んだ手をさらに掻きむしる

どうする事も出来ずに掻きむしり
幾らかの血を流し僅かな潤いを得れば
カサツク事を忘れられる
冬の雨に打たれ火照る気持ちを
冷ましてみても乾いてしまえば
また繰り返す

カサツクかさつく
カサツクかさつく


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