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勉強して何かいいことがあるのか。

   なんで勉強なんてするんですか―。塾講師のバイトを始めて早3年。何度この質問をされたことだろう。「なんでこんなことをしているのか」なんて疑問は抱かず、ただひたすらに机に向かう青春時代を過ごしてきた僕にとっては、新鮮な感想だった。今日は現役塾講師のちょっと真面目なお話。


 率直に言って、僕はそれなりに勉強してきた。元はと言えば、なりたいと思った職業が全て学歴の必要な職業だったから。周りのみんなが「プロ野球選手」とか「歌手」みたいなキラキラした夢を掲げる中、僕だけは「弁護士」という堅実な職業を思い浮かべた。勉強してるだけで「えらい」と褒められたし、思い描いた将来像に近づいている気がしたし、勉強することに違和感を持たなくなっていったのかもしれない。


 結果、弁護士の道は選ばなかった。でも、勉強していてよかったと思う瞬間はたくさんあった。

 まず、第1に、選択肢が広がった。「やりたいけど、学力が足らない」という理由で諦めることはなるべく避けたい。その点、それなりにまじめに勉強してきたおかげで、高校進学も大学進学もいろんな選択肢の中から選べたし、それなりに満足した選択ができた。就職でも、「学歴フィルター」が少なからず存在する世の中で、何不自由なく純粋に「行きたい企業」という基準で企業選択ができたのは大きかった。「勉強してて損はない」とはこのことなのかもしれない。知識は邪魔にならないからね。

 次に、思考が偏らなくなった。柔軟な考えって大切なんよ。ほんと。いろんな視点から物事を見れるようになると、今まで気づかなかったことにも気付けるし、話の幅も広がる。「そう考えるのか」って意見って面白いでしょ?配信者として、みんなに話を届ける活動をしている以上、思考が凝り固まっていると話の幅も狭くなってしまう。「雑談力」が武器になっているのは、いろんなこと勉強して、「物事の見方は一つじゃない」ってことを教えてもらったからかもしれない。


 例えば、何か嫌なことがあったとして、それに腹を立てていたとしよう。そこで、腹を立てて、相手との関係が険悪になっておしまいじゃ、なんだかもったいないと思わない?「相手にどんな状況があったのか」とか冷静に考えれば、もしかしたら相手には別の考えがあったかもしれない。それが和解に繋がるかもしれないしね。このパターンの代表例で言うと、「中国人のマナー問題」。中国人ってマナーが悪いってなんとなくのイメージで言ってない?中国は人口が日本とけた違いだから、生きていくためには「協調性」よりも「自己主張」が大切らしいですよ。それ知ってると、頭ごなしに「中国人はマナーが悪い」って言ってる人が馬鹿らしく見えてきませんか?「いろんな目線でものを見る」というのはそういうことなんです。


 「勉強」って嫌ですよね。わかります。でも、柔軟に考えながらたくさんの選択肢から人生を選べるのって素敵だとは思いませんか。

 最後まで読んでくださったこと、感謝します。この文章を読んだあなたが、幸福度の高い人生を送ることができますように。それではまた、どこかで。

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