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ショートカットはいいぞ

子どもの頃からずっとショートカットにしている。
10年に一度くらい髪を伸ばしてみるけれど、鬱陶しくなってすぐに切ってしまう。
そんな私のショート歴は通算40年を越えただろうか。

髪が短いことは私にとっては生まれながらの性質のように当たり前のことだ。

小学校に上がったら、すぐに髪を短く切った。
恐らくこれは母の好みによるものだろう。
映画で見たセシルカットへの憧れもあったのかもしれない。

クラスに髪の短い女子はいなかった。
男子につけられたあだ名は「どうぶつ」。
(なんて雑なネーミング!)

今でこそショートカットの女性はどこにでもいるけれど、90年代のはじめまで、女性のヘアスタイルはロングが圧倒的に主流派だった。
ショート派の私ですら、当時は肩まで髪を伸ばして、とさかのようにカーラーで前髪を巻き上げたものだ。

上手にカットできる美容師さんもなかなかいなかった。
高校3年の春、髪を短く切ったら他のクラスから人が見に来たくらい珍しい存在だった。

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私がショートカットを選ぶ理由は数えきれない。

まず何よりも、自分がショートを好きだから。
そして私のキャラクターに合っているから。

皆が褒めてくれるから。

洗うのも乾かすのもセットするのも楽だから。
傷む前に切ってしまうので髪の美しさを保てるから。
清潔感があるから。

太くてうねりがある私の髪質に有利だから。

大きなピアスや個性的なメガネ、ビビッドな色の巻物が映えるから。
何もしなくてもおしゃれに見えるから。

頭が小さく見えるから。

髪を短く切ると顔が次第についてくる。
ベリーショートにふさわしい、引き締まった顔になる。
ショートカットの女性が皆生き生きとした表情をしているのはきっとそのせいだ。

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最近はショートが得意な美容師さんがずいぶん増えた。
前髪の重さや毛先の処理など、カットだけでもいろいろなニュアンスが表現できる。

私はパーマはかけないが、カラーとカットの組み合わせで1年中変化を楽しんでいる。

夏はアッシュ系の涼しげな色。
5月の連休が過ぎ、空気が熱を帯びると髪を思いっきり切りたくなる。
グレーやシルバー、クールな色のファッションに似合う。

冬は赤みの入った暖かい色。
ボリュームを出し、毛先を柔らかく仕上げてもらうと、ふかふかしたウールになじむフェミニンな雰囲気になる。

細かい変化だけでも意外と飽きないものだ。

ショートカットの難点は維持にコストがかかること。
しかしヘアスタイルというものは、毎日人に見せるものだ。
カッコいいいショートは服を高く見せる。それだけでも髪にお金をかける価値がある。

街ですてきなショートカットの女性を見かけるとつい目で追ってしまう。
そして視線が交差したとき、密やかなエールの交換をするのだ。

最近、徐々に白髪が混じってきた。
これからの変化を楽しみにしている。

グレーヘアに鮮やかな色のニットやストール。
考えただけでもわくわくする。

ショートカット、いいでしょう。
夏に向けて髪を切ってみて。きっと新しい自分を発見できるから。


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