見出し画像

原爆の日: 家族に被爆者のいる自分

8/6は家族に被爆者がいる自分が責任を果たさないといけない日です。それでは、現場の生の声をどうぞ。

私の祖父母は、被爆者手帳を持っています。持っていると、医療費がただになります。実は、祖母が被爆者手帳をもらったのは一昨年。とても最近のことです。これには理由があります。

1つ、被爆者手帳の給付条件が緩和されたこと。祖母は、白内障にかかりました。白内障が、被爆者手帳の給付条件の1つになったのは最近の話です。さらに、黒い雨の影響の範囲の見直しや、被爆者の介助をしたという条件を満たしたことも影響しています。

もう1つは、家族のサポートです。被爆者手帳を貰いに行く際、私も一緒に行きました。その際、祖母は白内障の手術をしたことを伝え忘れ、被爆者手帳をもらいそびれるところでした。担当者が、被爆者手帳をもらえない説明を始めようとした瞬間に、私が遮り、白内障の手術をしたことを伝えたところ、すんなり交付用紙が貰えました。

「分かっている」と、「説明できる」は別の能力です。祖母は、しっかりしていますが、それでも普段と違う状況なのでポテンシャルを発揮できなかったのです。私としては、一緒に行ったかいがありました。

後日談ですが、貰った書類が間違っていたり、医者に白内障を説明する紙を間違えて渡したり、どうも被爆者手帳の交付はお年寄りが一人でするには、煩雑なようです。

結局、被爆者手帳を貰えたのでよかったのですが、手帳について思うことはたくさんあります。

私が学生の頃、90年代は、ラジオで、被爆者手帳を貰うための人探しを放送していたりしました。「〇〇橋で、会った〇〇さんを探しています」というような感じで、被爆した事を証言してくれる保証人を探します。ほんとに真面目な人はこうやって探すんですが、近所の人と口裏合わせて手帳を貰う、なんて聞いたこともありますね〜。あくまで個人の意見ですが、本当に被爆しているなら、それもいいと思います。見つからない証言者を探して後遺症に苦しみますか?悔しい思いをしますか?私には、とても、口裏合わせが間違っているとは言えません。

近所の人が保証人が見つからないから被爆者手帳が貰えない、と言っているのを聞いて、遠慮してなかなか手帳を貰わなかったのは祖父。実は、その人がちゃっかり保証人見つけて被爆者手帳を貰っていることを知って本人も被爆者手帳を貰ったそうです。忖度する文化はいつも変わらない。

さて、戦争をするのは戦争を知らない世代と田中角栄の秘書の早坂さんの本で読みました。私もそう思います。右翼が国や文化レベルで戦争を語り、左翼がすごく目先のレベルで戦争を語りますが、生の声を聞いた自分は個人的には軽くて、うんざりするんですよね。沈黙し、自問自答し、自分の考えを深め、求められたときに、自分の考えを言えるようにしておくのが私の態度です。答えない、というのも正しい対応の1つ。平和と豊かな社会に価値がある事は間違いありません。

写真は雨。黒くないありがたい雨です。

ガラスコーティング!

それでは。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?