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村上春樹に出会った中3の夏のことを思い出した。

皆さんは、村上春樹さんの作品はお好きですか?
私は彼の作品が好きで、新作が出るたびに今でも読んでいます。

彼の作品に出会って読書が好きになったと言っても過言ではないほど。

中学生のぼくは読書が苦手で、どれぐらい苦手かというと、
一時記憶の容量がたぶん人より少なくて、
前のページで読んでいた内容を忘れてしまうほどでした。

中学校の授業が始まる前に、朝の10分間読書
という時間がありました。

今では苦にならないのですが、それがどうも苦手で
ずっと図鑑を「見て」いました。

どうにかして、克服しなければと思い
新潮文庫の100選の目録を読んであらすじを読んでいると、
ひときわ輝く作品が見えました。

それが「海辺のカフカ」でした。

「やれやれ、僕は射精した。」

これは衝撃すぎる表現だった。
夏休みの宿題の読書感想文を、これで書いて良いのかすら疑った。

思春期の真っ只中、必ず入る性的な描写に童貞だった私は
若干の知恵熱を催しながら、スっと頭に中に入るような
わかりやすい表現だったり、ファミリーマート・ローソンといった
実名が文章中に現れることが多く、

フィクションながらもリアリティがある表現が、私の中に響き
初めて読書が楽しいと思わせてくれた作家です。

ざっとあらすじを言えば、少年が夜行バスに乗って自分探しの旅に出て
その行く先々で、たくさんの人に出会い助けられていくという内容です。

旅をしてみたい(その時から、放浪旅の素質があった)
そんな感情を生まれさせる作品でした。

名言が冒頭から止まらず。

P.8 : カラスと呼ばれる少年

「君はこれから世界でいちばんタフな
15歳の少年にならなくちゃいけないんだ。なにがあろうとさ。
そうする以外に君がこの世界を生きのびていく道はないんだからね。
そしてそのためには、ほんとうにタフであるというのが
どういうことなのか、君は自分で理解しなくちゃならない。」

なるほど、思った。

これはセリフの「世界でいちばんタフな○○歳」になるということが
いつのまにか、座右の銘になっていて

前回の記事、「大学生に読んでほしい、日常を楽しくする8つの方法」を
当時、大学生時代にひねり出すためのエッセンスにもなってたのかなと
今になって感じます。

苦手が好きになる瞬間。

好きになるどころか、もっと大きな成長につながること。

なんでもやってみるもんだなあと、10年経って感じる。

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