Numbersで貸借対照表を作ってみた
先月購入した中古のMacBook Air。まだマウスを使わずにいるが不自由していない。タッチパッドが使いやすい。
ショートカットキーも少しずつ覚えてきた。キーボードの音も心地良く、自然とパソコンと向き合う時間が増えている。
そうだ!個人版の貸借対照表(B/S)も作ってみよう
1.きっかけ
7月1日、国税庁が、相続税の計算根拠となる「路線価」(令和6年版)を公表。対前年比でプラスに転じる状況が続いているという。
どれどれ。ワタクシの住む街なんかはどうなんだろうとチェック。おぉ、田舎なのにちょっと上がってるじゃん♪
…そこでちょっと興味が湧いた。「仮にいま、ワタクシが死んでしまったら相続税は払うことになるのかな」と…。金融資産管理表を更新したら、含み益(注:確定していなければまぼろし)がなかなかの額だったし。
2.準備したもの(いっぱいある)
固定資産税課税明細書(令和6年度分)
宅地等財産評価明細書(母の相続税申告(10年以上前)のときに税理士さんが作ってくれたもの)
路線価図(令和6年分、国税庁ウェブサイト)
評価倍率表(同上、「一般の土地等用」)
宅地造成費等の金額表(令和6年分、国税庁ウェブサイト)
借家権割合(同上)
家屋の固定資産税評価額に乗ずる倍率(同上)
取引相場のない株式(出資)の評価明細書(国税庁ウェブサイト)
類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等(同上)
ワタクシの会社の決算書(直近2期分)
ワタクシ個人の借入金返済表(住宅ローンを含む。)
3.手順
1.所有する土地、家屋等の一覧表を作成する
市区町村から送付される「固定資産税課税明細書」に記載されている事項(税額以外)をNumbersのシートに転記。
2.土地や家屋などの相続税評価額を計算する
相続した土地のうち使い方が変わっていないものは、税理士さんが作ってくれた「宅地等財産評価明細書」の計算式をセルに入力。その後、令和6年分の数値に置き換える。これがなかなか大変。
相続後に使い方が変わったり新たに購入したりした土地は、単純に①自用地(路線価×面積)や②貸家建付地(自用地評価−(自用地評価×借地権割合×借家権割合×賃貸割合))などで評価。”小規模宅地の評価軽減措置”なるものがあるらしいのだが、そこまで手が回らん。
家屋(アパートを含む)は、「家屋の固定資産税評価額に乗ずる倍率」により評価
ちょっと辞めたくなってきた。
3.自分の会社の株式を時価評価する
ネット上で税理士さんが自社株評価の方法を解説している税理士さんの動画やサイトを参考に「取引相場のない株式(出資)の評価明細書」を作成。
…文字ばっかりの記載例を悪戦苦闘しながら読み進め、前出の「評価証明書」を埋めていく。
しっかし、こちらの書類も字が小さい。アラフィフには辛い。素人に理解してもらおうという気が感じられない作り込み。いや、ワタクシの能力不足か…。反省
会社で所有する物件の一部は、ワタクシ個人が所有する土地に建っているものがある。それらについては「借地権」を評価して会社の資産として計上する必要があるという。
ざっくりしたイメージ例だが、「路線価×面積×借地権割合」。この「借地権割合」は路線価の数字にくっついているアルファベットによって決まっている(借地権割合は路線価図の上の方に載っていた)。
そんなこんなで前出の「評価証明書」を作成し、自社株1株当たりの評価額を算出。「評価額×持ち株数」が相続財産に加算される。
だいぶ嫌になってきた。くじけそう…
4.貸借対照表のフォーマットを作成し必要な数字を転記する
左側に資産、右側に負債と純資産。とりあえず”資産合計−負債合計=純資産(≒正味相続財産)”とした。
資産を構成するのは次のとおり。金融資産管理表がさっそく活躍♪
【流動資産】
現預金、株式(REIT含む)、投資信託、債券、金地金
【固定資産】
土地、建物、償却資産
【その他資産】
保険解約金、法人への長期貸付金、自社株
負債の構成は、こんな感じ。
【流動負債】
クレジットカード未振替分
【固定負債】
住宅ローン残高、事業性ローン残高
って感じで、ざっくりだけどなんとか完成
4.計算の結果…
おぉ…、しばし言葉を失う。現時点だと手持ちの現預金在高を上回る納税額になりそう。ホントかな…?
「資産三分法」(現預金、株式(債券)、不動産を均等に保有する)という考え方がある。金融資産だけにフォーカスした配分割合だと現預金が多いかなと考えていた。でも、不動産を含めるとちょっと景色が変わってくる。
新たな視点で現状認識ができたことは良かった。次のアクションをどうするか、少し考えたい。
5.(おまけ)路線価考察
今回の個人版貸借対照表を作るにあたり、10年以上前に作成してもらった「宅地等財産評価明細書」を参考にした。
そこで愕然としたことがある。ほとんどの土地の路線価が、母の相続発生時より下がっているという事実。具体的には、相続発生時の路線価を「1」とすると、令和6年のそれは「0.7〜0.8」という感じ。
田舎の不動産が「資産価値を保全する」という役割をこれからも果たしていくことになるのか?
”茹でガエル”になって、知らない間に資産を大きく毀損するということがないように気をつけたい。