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コラージュアートの作り方

作品をUPするようになってから
「コラージュアートを始めたいのですが...」という話を時々聞きます。

なので手っ取り早くnoteに書いてしまおうと思ったわけなのですが、これはあくまで僕個人の作り方であって全ての人達(コラージュをされている方々)がこのような作り方をしているわけではないです。デジタルで精密なコラージュを作られる方もいますし、色々な方法があると思います。参考程度になればという考えです。


①道具・素材を集める。

「道具」
基本的に3つの道具を使います。

1つ目はカッター、これはデザインカッターを買ってください。近くの文具店に行けば売ってます。僕は当初、工具用のどデカいカッターを使っていて「皆器用すぎるやろ、なんやねん」と思っていたのですが、よく見ると皆、デザインカッターを使っていました。

2つ目はカッターマットです。選ぶ時に「これはまぁまぁ良いやつです。安いですけど使いやすいですよ、」と文具店のおばあちゃんに言われて半信半疑でそれを買いました。

3つ目は糊です。何でもいいです。糊には興味ありません。勝手してください。どれでもいいから買ってください。この先もう糊の話は一切しないでください。ふざけんな。

「素材」

素材集めで悩む方が多いと思いますが、直感で良いなと思ったものは全て使えると思います。古本屋や古着屋、BOOK・OFFなどで昔の映画の冊子や雑誌なども安く手に入りますし、メルカリやオークションサイトなどで古い雑誌を売っている人もいます。また探せば著作権フリーで写真が載っているサイトも沢山あります。

【追記】
どこで買っているのか?どんな名前の雑誌か?などよく質問されるのですが、僕自身、特別なルートで買っているわけではないし、誰かに聞いたわけでもありません。色々、試行錯誤しながら素材を集めています。そしてまだ模索中でもあります。これはコラージュに限ったことだけではありませんが、そうした過程において失敗しながら、発見や学びを得ることにこそ創作の本質があると思っています。ですので素材探しも作品作りの一部だと思ってさっさと頑張ってください。おれも負けないように頑張ります。


②イメージを膨らませる。

素材を手に入れたら、ペラペラとめくりながら
頭の中でイメージを膨らませます。直感でピンときた写真を切り取って、そこからどうするか考えても良いと思います。Instagramで検索すれば山ほど参考になる作品はあります。コラージュは同じ発想であっても素材が違えば似て非なる作品が出来上がります。そこが面白さだと思います。手先の器用さはあまり関係ありません。発想が全てだと言ってもいいかもしれません。発想を出来るだけ遠くまで、自分の手が届くか届かないかのギリギリまで、飛ばしてください。

例えば、ステージ上に僕は立っていて、足元にはバナナの皮が落ちています。目の前には沢山の観客がいて僕はそこで何かをしなければいけません。バナナの皮に気づかないフリをして滑って笑いを取る事は誰でも思いつきます。それではいけません。そのバナナの皮を1度家に持って帰り、ゴミ箱に捨てて下さい。そして庭に新しいバナナの木を植えます。その木が育ち新しいバナナの実をつけるまで何年も待ちます。その間、生活をずっと続けて、やっとバナナの実ができたらその皮をあの時のステージに持って行って、元あった場所に置いて、気づいてないふりをしながら滑ります。観客はもうとっくの昔に居なくなっていますし、誰もそれを見ていません。ひとりです。でもそこが発想のギリギリです。核となる部分からは絶対に外れてはいけません。バナナはリンゴには変えられないし、ステージの位置は変わりません。そこが重要です。ところでバナナの皮の話は全然関係ないのでぜんぶ無視してください。

例:
発想パターン ⑴
背景の空を切り取って違う素材で埋める


パターン⑵
顔面を切り取って違うパーツと合体させる。 


③切り取って貼る

慣れてくると、写真を見れば「このパーツはここに使えるな」とか「ここにはあの写真がハマりそうだ」とか大体コツみたいなものが備わってきます。それが行き過ぎると、バスの前の席に座っているお爺さんを頭の中で勝手にコラージュしてしまいそうになります。自分がそんなことを勝手にされてると思ったらたまったもんじゃないです。僕なら後ろを振り向いてやめてくださいと言いながら真顔でここで降りますのボタンを連打します。 

そのようにして頭の中に作り上げたイメージを元に、それに1番近い素材を探し出して、切り取ってパズルのようにはめ込んでいきます。切って糊で貼る。基本的にはそれだけです。もちろんイメージ通りの素材が見つからない時もありますし、思ってたものと同じでも完成してみれば、しっくり来ない時もあります。何も思いつかない時でもとりあえず切り取って見れば新たな発想がそこから生まれる時もあります。 

初めは誰かの真似でもいいと思います。ひとつの作品を完成させるところまで持っていってください。細部は出来るだけ丁寧にゆっくり仕上げてください。誤魔化してもわかる人には分かるし、自分自身には絶対バレます。



僕は、今まで色んなことに手を出してきました。イラストを書いたりギターをかじったりけん玉、ルービックキューブ、カメラ、それらは長続きしませんでした。でも初めてコラージュアートを完成させた時に、あぁ僕が求めていたのはこれだったんだという実感がありました。ひとつだけ無くしていたパズルのピースが見つかった様な気持ちでした。その時の感触は今でもこの手のひらに感じられます。僕はちっぽけな私立大学の法学部生です。アートの事など一切分かりませんし、賢くもないです。なんだお前ごときが偉そうにと言われても言い返す言葉は何一つありません。ただ、ひとつ学んだことがあります。それは「新しいことを始めない限り新しい事は始まらない」という事です。僕は、ずっと、過ぎていくだけの日々に怯えていました。けれどコラージュアートを初めてからそれが少し消えた様な気がします。作品が生活のしるしみたいに僕の手元にあります。それを眺めていると過ごしてきた時間の長さを手に取るように感じられます。別にコラージュアートを始めろと言ってる訳ではありません。何でもいいのです。それが長続きしなくてもいいです。もし僕と同じように、何かを求めて生きているけれど、それが何か分からないからただ待っている。という人がいれば勿体ないと思うのです。待っているだけでもチャンスは来るかもしれません。でもそれは薄い霧に過ぎないのです。次の日の朝には消えてしまっています。新しい事を始めない限り新しい事は始まらないのです。



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