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誰も感動しないストーリー

物語や脚本といったモノは、読み手や観客を作品の世界観に引き込み、さまざまな感情を共有できるメディアだと思います。

魅力的な登場人物。

情景がありありと目に浮かぶ描写。

大衆が惹かれる壮大なストーリー。

…ところが、世の中には感動を求められていないストーリーも存在します。

例えば、幼少期に学んだ算数の文章問題。

Aくんは、母の日のプレゼントを買いに花屋さんに向かいました。
お財布には2,000円入っています。
カーネーションを3本買って、お釣りが650円だったとき、カーネーション1本の値段はいくらでしょうか?

「(ノД`)・゜・。なんて良い子なんでしょう‼」と感涙する人はごく稀で、一般的には提示された数字を頼りに計算することに集中することでしょう。

むしろ、計算に集中してもらうには、不必要な情報は取り除かなければならないのかもしれません。

このように、世の中に必要だけれども、内容が求められていないストーリーというのは、存在するのです。



あなたは「防火管理者」という資格をご存知でしょうか?

一定規模以上の建物や施設について、火災の予防や消火活動の責任者として有資格者を配置する義務があり、おそらく、あなたの勤める会社でも有資格者が防火計画などを定めているはずです。

私も、そんな防火管理者なのですが、半年に一度、誰も感動しないストーリーを作成すべく悩むことがあります。

今日は、少し時間があったので、消防訓練の届出書を作成しつつ、管轄の消防署に連絡。

訓練用の消火器の予約をしました。

訓練用の消火器は、一般的には中に水が入っており、使用後も水を補充することで再利用が可能です。

訓練用の消火器は、消防署で限られた数しか保有していないので、前もって予約していないと、場合によっては当日レンタルができなくなり、予定していた消火訓練ができなくなることもあるので要注意です。

地域によっては、訓練前に届出書を提出するだけで済むところも多いでしょうが、私は訓練内容も別紙に記載して提出するようにしています。

その訓練内容が、まさに「誰も感動しないストーリー」なのです。

…ともあれ、実は、この作業が個人的にちょっと好きで、どこからどんな理由で出火して、どのような行動で消火・通報・避難を進めるのかを考えています。

訓練日は、まだ少し先なのですが、こういった実務のための文章作成も、たまにやると面白いと思うので、興味のある方は防火管理者になって、一緒に感動しないストーリーを紡いでみてはいかがでしょうか?

ちなみに、防火管理者は国家資格ですが、2日間の受講と効果測定試験(〇✕テスト)で取得可能です。


ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。



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