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ゴールが見えたら、次のスタートの準備をする習慣を

当たり前の話かもしれませんが、何かを始めたら、どこかにゴールが存在します。

私たちは、それぞれに大小さまざまなゴールを設定し、それに向けて歩みを進める生き物です。

ゴールがなければ、何のために歩んでいるのか分かりませんし、ゴールがあるから進んで行ける、というのが、人間の心理だと思います。

例えば、マラソンには42.195km先にゴールがありますし、競歩には50km先にゴールがありました(現在は男女ともに20㎞)。

どんな仕事にも納期や期日があるでしょうし、達成目標が存在するはずです。

がむしゃらに、ひたむきに、前へ前へと歩みを進め、到達したゴールには、成し得た者にしか分からない達成感があることでしょう。

これまでの努力は、この瞬間のために…。

しかし、ゴールに到達するということは、一つの終わりを意味します。

始まりから、終わりへ。

その瞬間に人の脆さが出ることは、私たちにも経験のあることなのではないでしょうか?

ということで、今回はスタートとゴールのサイクルについて考えてみたいと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

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昨日は、4年間在籍していた大学の卒業式でした。

あいにく、オンラインでの開催となってしまいましたが、それでも胸に去来するモノはありました。

社会人でありながら、日常生活に勉学の時間を設けることは、なかなかに骨の折れる作業だったな…と思い返しながらも、充実した日々だったと満足のいく想いもありました。

人間は何かを達成する喜びを得たとき、脳では「報酬系」という神経系が働きます。

勉強というのは、実は「報酬系」が機能しやすい行為だと個人的には感じています。

学校教育には卒業があり、資格試験には合格ラインがあり、読書習慣には読了した達成感があるからです。

これはつまり、明確なゴールがあるということに他なりません。

ですから、私たちは自己啓発と称して勉学を続けることにある種の快楽を覚えるのです。

「報酬系」が機能すれば、次の快楽を求めて、新たなステージに歩みを進める動機づけになりますが、この明確なゴールや達成感にはリスクもあります。

それが「燃え尽き症候群」に見られるようなゴールからスタートまでのキャズム(深い溝)です。

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本来、人間には「楽をしたい」という欲求が存在します。

そして、「頑張りたい」と「楽をしたい」という感情は「認知的不協和」を引き起こし、「頑張った分、楽をしても良い」という正常化バイアスを引き起こすと私は考えています。

「365日のマーチ」で「三歩進んで二歩下がる」という歌詞がありますが、穿った見解を示すなら、「一日三歩も進んじゃうと、明日も大変だから、二歩下がって”一日一歩”進むことにしよう」という正常化バイアスが働いているのではないでしょうか?

…まあ、これは考え過ぎかもしれませんね(笑)。

ともあれ、私たちの中には、真面目で努力家で物事に全力で取り組む方が多いように感じています。

彼らにも「認知的不協和」によるストレスや正常化バイアスによる認知の歪み、そして、目標の設定と到達という緊張と緩和の繰り返しが心身に負荷としてのしかかっています。

これでは心も体も摩耗して、いつしか立ち上がれなくなってしまうこともあると思うのです。

ゴールがなければ努力は続けられず、けれども、ゴールしてしまったら次のスタートまで葛藤が起こってしまう。

どうすればいいのか?

ゴールテープをスタートラインに置き換えることが、私個人の中では一つの解決策だと考えています。

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簡単に言ってしまえば、区切りをつけない生き方ということになるでしょう。

デメリットは達成感を噛みしめられないというところでしょうか。

スタートから始まるのではなく、ゴールとスタートはコインの表と裏のように表裏一体なモノです。

要するに、終わりと始まりの間に時間的感覚を設けないことが肝要ではないか?ということです。

これは「歩み続けなければならない」と捉えられるかもしれませんが、先に述べたように、私たちには「楽をしたい」という欲求も同時に存在しています。

ゴールしてから楽をするのではなく、歩みの中でペースを配分すれば良いのではないでしょうか?

もっとも、これは「マルチタスク」の常態化なのかもしれませんから、合わない方もいることでしょう。

ですが、スタートラインにつくことに躊躇してしまうという方は、試してみてもいいと思います。

補足としては、42.195㎞のあとに再び42.195㎞を走る必要はないということです。

長短さまざまな距離を上手に繋いで歩き続けることが、ときに、ゴールして立ち止まることよりも楽なこともある、という話でした。

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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