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資格と資質
福祉職に就いてから、よく「何か資格が必要ですか?」と尋ねられることがあります。
ちなみに私は障がい者福祉の分野で働いています。
社会福祉協議会や障害者就労・生活支援センターやその他の行政機関などで働きたいのであれば、資格が採用を有利に進めることになるでしょう。
社会福祉士や介護福祉士、精神保健福祉士などは国家資格ですから優遇してくれるかもしれません。
ちなみに私は福祉系の資格を持っていません。
行政機関ではない、就労支援や就労継続の支援事業所では、実務経験によって、さまざまな資格を取得することができ、また、資格によって手当がつく事業所も多いように感じます。
お時間のある人は、求人情報サイトなどで「生活支援員」や「職業指導員」、あるいは「サービス管理責任者」で検索してみてください。
障がい者福祉従事者の賃金の相場がみえると思います。
ちなみに私の職業年収は300万円以下です(笑)。
勤務先で就労条件は異なりますが、それなりに重労働もあるでしょうし、精神的負担も大きい職業だと思いますし、賃金に見合わない労働だと感じる方も多いでしょう。
それでも続けられる人というのは、極論として二種類に分けられると個人的には考えています。
福祉職でしか働けない人と、福祉職だと考えていない人です。
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福祉職でしか働けない人にも二種類いて、想いで動く人と打算で動く人に大別できると思います。
…良い意味で、です。
「想い」とは「慈善・慈愛」の類で、博愛主義もあれば功利主義もあるでしょう。
誰かのために行動できる人と自分の存在意義を感じたい人が大半だと思っています。
打算については割愛しますが、世のため人のために働くことの出来る人の多さを感じることができることも、福祉職の醍醐味かもしれません。
しかし、人が人を支援するということがどれだけ傲慢であるかを、福祉職でしか働けない人は、常に肝に銘じておくことが肝要だとも感じています。
支援者のエゴで障がい者をどうにかしようなどと思わないでほしい…と感じてしまう支援者も多くいる事実に辟易することもありますし、自分がそうなっていないかを回顧する日々を繰り返しています。
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福祉職だと考えていない人というのは、思考や感覚がフラットな人が多いように感じます。
健常者だとか障がい者といった境界を取り払える人です。
いきなり福祉の世界に飛び込んで、最初からインクルージョンやダイバーシティの精神を持つ人は多くはないかもしれませんが、支援者として「障がい者をどうにかする仕事」ではなく「社会をどうにかする仕事」だと認識することがファーストステップのように思います。
この思考の切り替えについて、個人的に「資格と資質」で相反する部分があると感じています。
福祉系の資格では障がい者を「社会的弱者」として捉える傾向にあるように感じています。
「社会正義」の名のもとに働くことが福祉職だという考え方です。
しかし、実際に働くうえで感じるのは「資質」の有無です。
つまり、私は博愛主義や功利主義の精神を「資質」だとは思っていないということです。
では、福祉職…ここでは障がい者福祉に限定されるかもしれませんが、働くうえでの「資質」とは何でしょうか?
それは「自分」と「相手」の違いを把握したうえで相手の立場に立てるかどうかだと思います。
もちろん、深掘りすれば多くの資質の定義が存在するでしょうが、思いのほか、上記の資質を備えていたり育もうとする考えが不足している業界のように感じています。
…私の周りだけだといいのですが…。
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ともあれ、福祉は専門職だとされ、資格に注目される職種であることは事実だと思います。
資格があれば、支援の幅も広がりますし、困ったときの指針となります。
手当ももらえるでしょうし、自信もつくことでしょう。
ですが、障がいを抱える方の視点で考えれば、それらは必須条件ではないのです。
人として真っ当であること。
それが支援者に求めることであり、支援者の資質なのではないでしょうか?
まだまだ未熟者ではありますが、「職業」ではなく「生き方」として福祉と向き合っていきたいと思います。
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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。
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