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「他者への期待」は、しないよりもした方が良い

まず、「他者に期待しない生き方」とは、どのようなモノでしょうか?

期待
あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること。当てにして心待ちにすること。
(デジタル大辞泉より抜粋)

他者の行動がどのような結果になっても、自分ができることさえしていれば良い…と考えることで、アドラー心理学などでフォーカスされた「ストレスとは人間関係によってもたらされる」ことへの耐性(レジリエンス)になることが最大のメリットではないでしょうか?

つまりは、自分のメンタルを守るために、「誰かがどうにかしてくれる」といった他者依存や他力本願な心理状態を排除してしまおうという発想からきている概念だと個人的には感じています。

例えば、とあるチームに配属され、一つのプロジェクトを進めることになったとします。

当然に、チームの各メンバーには役割が与えられ、それぞれが自分に与えられたタスクをこなしていくことになります。

しかし、そこには必ず個人差も生じます。

あなたが自分のタスクを処理しながらも描いていたプロジェクトの全体像が、想像していたよりも大きく下回る成果となったとき、落胆と共に「他責」の感情が渦巻くのではないでしょうか。

その場合、自分の作業に集中していたとしても、自分以外の作業については他者に期待していたと言わざるを得ないと、私は考えています。

期待をしていなかったのであれば、最悪を想定できず、プロジェクトの進行に合わせてマイルストーンを設置せず、他のメンバーのサポートが足りなかったのだと「自責」の念に駆られることになると思うのです。

私たち一人ひとりの能力には限界があります。

だからこそ、多くの人と協力する必要があり、集団への依存や期待があったからこそ、私たちは今日の営みを行っているのだと思うのです。

「他者に期待しない生き方」は、よくよく考えてみると、実に難しいことだと理解していただけると思います。

女性・公園・池・ベンチ・孤独

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「他者に期待しない生き方」の最大のデメリットは、人間関係での負荷が減る分、相対的に人間関係で得られるプラスの部分も減るということです。

仕事で例えるなら、誰かがあなたの期待通りの働きをしたとき、他者への感謝や賞賛の感情と共に、相手とのつながりの強さや絆を感じたり、自らの予測が正しかったことで自己肯定感も増すことでしょう。

期待をした結果、他者への評価だけでなく、自身への評価も上げることになります。

また、プライベートな部分で例えるなら、個人的な意見ではありますが、他者に期待しないということは、友情や恋愛の感情につながりにくいモノだと考えています。

友情や愛情とは、自らの感情と同質なモノを、他者も抱いてくれているという期待が無ければ成立しないと思うのです。

「見返りを求めない愛」という言葉がありますが、これは他者への期待よりも、自分の行動が相手のためになっているという自己完結型の期待ではないでしょうか。

ドライな考え方だと感じるかもしれませんが、そのように感じられる方は、きっと他者や自分への期待感を持っており、その期待が「報われた」という経験があるのだと思います。

期待にはリスクとリターンがあるのです。

アーキテクチャ・都市・街・人々・群衆・パターン・集い

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私は、どちらかと言えば、他者に期待をしない側の人間です。

他者の行動がどんな結果に繋がろうとも、あまり感情が揺さぶられることがありません。

以前は、期待をする側でしたが、その期待が過度になっていき、他責の感情で自らを焼いてしまったことがあり、次第に期待という感情から離れていきました。

個人的な話になりますが、私は離婚してから、もうすぐ10年になります。

その間、よく「再婚は考えないのか?」とか「新しい人はいないのか?」といった質問を受けましたし、今も受けています。

しかし、一度期待から離れてしまうと、なかなか誰かに期待を背負わせてしまうことに臆病になり、恋愛感情といったものが湧かなくなります。

私は他者に期待することが怖いのです。

だからこそ、期待という感情の素晴らしさも分かるつもりです。

当たり前のモノではないからこそ、輝いて見えるのです。

「他者に期待する生き方」は、ときにあなたを傷つけ、孤独を与え、悲しみを招くものであるかもしれません。

ですが、それ以上に、誰かの存在のありがたさや温かさを感じられる感情も、そこには含まれていると思うのです。

期待とは希望です。

この記事が、誰かの背中を押してくれることを、私は期待したいと思います。

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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