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福祉ビジネスについて考えてみる②

前回は具体的な内容に入る前に、歴史的な概要について書きました。

福祉ビジネスとは、障害者福祉の領域の話となります。

専門分野につき、新規参入しにくいと考えている方が多いであろう反面、数年前に、ちょっとした事業立ち上げブームがありました。

それが、私が採り上げている「就労継続支援A型事業所」という福祉施設です。

前回の記事は下記になりますので、もしよろしければ読み返していただけると嬉しく思います。

今回は「就労継続支援A型事業所」とは、どういったモノなのかについて書いていこうと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

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障害者が就労…つまり働きたいと考えたとき、私たちと同じように求人情報を検索して一般就職を目指すほかに、いくつか福祉的サービスとして提供されている支援機関があります。

まずは公共職業安定所。要するにハローワークです。

ハローワークには一般的な求人の他に、障害を抱える方などを雇用する「障害者枠」という求人が存在します。

これは、障害者雇用について、日本の企業には「法定雇用率」という法定義務が課せられており、従業員数が43.5人以上の事業所は全従業員の2.5%に相当する障害者を雇用しなければならないという制度があります。

簡単に説明すると、従業員数400人の事業所では最低10人の障害者を雇用しなければなりません。

ちなみに「43.5人」の「0.5人」とは、短時間労働者を指します。

なお、障害者とは身体障害者・知的障害者・精神障害者の他に、高次脳機能障害や内部障害、特定難病の罹患者なども含まれます。

以上のことから、ハローワークなどでは「障害者枠」という特殊な求人があるのです。

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次に就労移行支援事業所と就労定着支援事業所があります。

「移行」と「定着」という言葉の違いがありますが、「移行」とは就労したが辞められてしまった方や、就労する能力はあるが訓練等を行い、より企業にとっての戦力となるよう、さまざまな教育・訓練を提供するサービスです。

…厳密には事業所ごとに特色があるので、必ずこうだ‼といった断言はできないのですが、移行支援には2年間しかサービスを受けられないことと給料等の給付が受けられないという特徴があります。

「2年間」というのは、一部の地方公共団体を除き「生涯で2年しか利用できない」ということです。

細かい話となりますが、一回の利用で2年という期間を消費する必要はなく、6ヶ月程度で復職や就職に導くことが出来れば、再度利用する期間が残っているので、長期的に考えれば手厚くなります。

「定着」とは就労している障害者の支援であり、継続して働けるよう相談支援などを中心にサービス提供する福祉施設です。

福祉事業所の運営には税金が使われており、より社会に則した支援を行った事業所に多く税金を投入し、地域の活性化につなげるため加算項目を設けています。

税金の適正使用のため、厳格な基準があると思っていただければよいと思います。

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いよいよ「就労継続支援事業所」についての解説ですが、「A型」の他に「B型」が存在しますので、まずは「B型事業所」から解説したいと思います。

「B型事業所」は、就労が困難な状態にある障害者の地域参加を主とした福祉サービスです。

特徴としてはサービス利用者である障害者には、機能訓練やソーシャルスキルトレーニング(SST)などの社会で生活するための訓練の他に内職などの作業を通して就労意欲を高める試みがあるところです。

重度や中度の障害者が多く在籍していることから、作業に対する報酬は工賃と呼ばれる金銭が支払われます。

現在の全国平均工賃額は1万6千円を上回った程度の額です。

それでも家族の支援や障害者年金、さまざまな助成金などで生計を立てて生活されています。

そして、「A型事業所」ですが、B型との大きな違いはサービス利用する障害者と雇用契約を結ぶところです。

つまり、A型事業所には就労するに足る能力を有した障害者とされる方が入社し、日々の業務を通して社会参加の機会を模索しています。

雇用契約を結んでいるワケですから、時給換算で都道府県ごとに決められている最低賃金以上の報酬を払う義務が、A型事業所にはあるのです。

…この「雇用契約を結ぶ」「就労する能力を有している」「福祉サービス」というキーワードが、この事業のいびつさを創り上げているのですが、それはまた次回ということで…。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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