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「他人のステ振り」という仕事

「ステ振り」とは「ステータスの振り分け」の略で、ゲームなどでレベルアップ時に一定量与えられたポイントを、自分の好みに合わせて、キャラクターの体力や魔力、敏捷性や器用さなどに振り分け、自分のキャラクターをカスタマイズすることを指す。

…と、思います。たぶん( ̄▽ ̄;)。

障害を抱えている方の社会進出をお手伝いする仕事をしていると、たまに、この「ステ振り」に違和感を感じる方と遭遇します。

ゲームに例えるなら、戦士タイプなのにMP(マジックポイント)を増やしてみたり、魔法使いなのに体力を増やしてみたり…。

いわゆる「おかしな極振り」です。

極振り】ごくふり
極振りとは、コンピューターゲームにおいて、キャラクターやアイテムのさまざまな能力値(ステータス)を上げることができるポイントを、各能力に均等に割り振るのではなく特定の項目に集中的に充てることである。
(実用日本語表現辞典より)

ただし、極振り自体が悪いことではありません。

通常ではありえないステータスにするということは、唯一無二であるということでもありますから、それが際立った個性として評価されることもあります。

しかし、大好きなゲームについて、登場人物や技・魔法の名前などを完全記憶していたり、延々と単純作業を続けられるだけでは、なかなか社会で働くことは出来ません。

そこで、障害を抱える方の支援者として、ときに本人とぶつかりながらも、ステータスの振り方について考えることが、仕事となっています。

…こういった内容は、最近ちょこちょこ書いているので、今回は「ステ振り」だけではない「振り分け」のお仕事について書いてみようと思います。

最後までお付き合いいただけると幸いです。

女性・ビジネス・相談・コンサルティング・面談・オフィス・傾聴

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あんまり細かく語ると身バレするので書けませんが、私はコンサルティング業務のスタートアップ事業に所属している一面もあります。

現在はコンサルよりも障害を抱える方の福祉的支援の仕事にウェイトを置いていますが、今の経験をもとに成長しているところでもあります。

コンサルタントという職業は、一般的に何かに秀でたスペシャリストが他者や他社の課題解決をお手伝いするものです。

ですから、当然に専門性の高い知識や経験が必要になってきます。

ところが、小さな企業でスペシャリストだけを揃えると、面白いほど経営は破綻します。

会社という仕組みは、利益に直接作用する労働者だけでは成り立ちません。

スペシャリストがスペシャリスト足り得る作業に集中できる環境を調えるのが、意外と肝要なのだと、私は考えています。

今日、たまたま先輩スペシャリストの一人と話す機会があり、今後の私の身の振り方…ステ振りについて意見交換をしてきました。

そこでは興味深い共通の認識がありました。

女性・ホテルの受付・仕事・電話・ビジネス

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「受付が必要だと思うんです」

唐突に私は先輩に話を持ちかけました。

「俺もそう思ってた」

何が?という問いもなく、そのように言葉が返ってきたのです。

この会話を「総合病院」を例に挙げて解説してみます。

総合病院では、外科や内科だけでなく、呼吸器科や循環器科、皮膚科・泌尿器科・小児科・心臓外科・心療内科など、多くの専門科が存在します。

仮に、このような総合病院が、あなたの家の目の前にあり、激しい胸の痛みを抱えたあなたが、診察を受けようとしていると考えてみてください。

総合受付窓口に、自分が初診であり、胸に痛みがあることを訴えたとして、「窓口では診断は出来かねます」と言われるのが一般的だと思いませんか?

だからこそ、自分の症状から素人なりにインターネットで検索して、あらかじめ診察をお願いする科を選択すると思うのです。

しかし、もしも自分の見立てが間違っていたら?

胸の痛みから肺や心臓などの内臓器官が原因だと思っていたら、心因性の神経痛だった…などといった場合、一体どれだけの手間やムダがあるでしょうか?

もしも、受付である程度の診断ができたのなら…?

まさにジェネラリストの存在が、ここに求められていると思うのです。

女性・聴診器・専門家・医療・医者・手に持つ

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専門家のような尖った個性はなくても、広範な情報を管理・分析・運用することが出来れば、会社にとって心強い存在になるはずです。

つまり、社内からでも社外からでも、情報が集約されている部署があれば、風通しの良い組織体制、支援体制は整うことでしょう。

それこそが「受付が必要」という言葉の根幹にあるものです。

その先輩とは「交通整理」という言葉にも置き換えましたが、なるべく初期の状態で診断し、処理し、振り分ける能力に長けた人間がいれば、「たらい回し」はなくなります。

そして、そのポジションに近いのが私だという点で、意見が合致したのです。

「俺なら絶対やりたくないw」

そんなことを言われましたが(笑)、私には合ってる気がすると感じています。

割と近い未来の方向性が定まったので、まずはコツコツと自分自身を高めていこうと思います。

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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。

今回の投稿は以上です。

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