あの人を「出来ない人」で括る前に
「あの人は勤務時間中におしゃべりばかりしている」
「あの人は言われた事すらやろうとしない」
「あの人は何をしに会社に来ているのだろう?」
もしかしたら、あなたの周りにもいるかもしれない「出来ない人」というレッテルを貼られた、あの人。
いろいろと手を尽くしてみたけれど、どうにも響かない…。
そんなとき「腐ったリンゴは棄ててしまおう」という考えがよぎることがあるでしょう。
ですが、多くの会社において、そう簡単に雇用関係の解除は出来ませんし、新たな人財が優秀だとは限りません。
私たち個人にとっても、会社という組織にとっても、限られたリソース(資源)を活用するほかに術はありません。
…でも、あの「出来ない人」をどう扱えばいいの?
ということで、今回は組織論について書いてみようと思います。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
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一般的に「仕事のできる人」のイメージとは、どんな人物像でしょうか?
知識や経験が豊富で、人当たりも良く、頭の切り替えがスムーズで、仕事に誇りと熱意を持つ人…といったところでしょうか?
「仕事」というテーマで「出来る人・出来ない人」を考える際、私たちは身近な人物を想像していることが多いと思います。
つまり、モデルとなる人物からイメージを抽出すると、私は考えています。
ですから、パソコン業務が多い場合は、ITスキルの習熟度が「出来る人」と密接になりますし、製造業などでは作業自体への熟練度が「出来る人」の項目に挙げられると思います。
一方で、「出来ない人」のイメージを思い浮かべてみてください。
純粋に作業能力そのものから「出来ない人」と捉えているのではなく、「仕事以前の問題」として、性格であったり人格にまつわる項目から「出来ない人」とカテゴライズしているケースもあるのではないでしょうか?
実は、「出来ない人」の中には「仕事が出来ない人」ではなく「社会的常識と考えられる行動が出来ない人」が含まれていることが分かります。
これって、よくよく考えてみると、組織開発や人財育成を担う人の視点と考え方で改善できるのではないでしょうか。
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個人的な意見ですが、「出来る人」が「出来ない人」に劣る能力があると考えています。
それは「諦めの悪さ」や「しぶとさ」という能力です。
もちろん、これらを備えた「出来る人」もいます。
ですが、先に述べたように「出来る人」は多くの作業をこなすため、「見立て」や「見極め」といった区切りや終着点を設定するスピードが非常に早くなります。
それが結果として、他者を「出来ない人」とレッテル張りするスピードにも繋がり、「出来ない人」の可能性の芽を潰すことにもなります。
極端な話、「出来る人」は「出来ない人」よりも、一つの案件にかけることのできる時間が短いので、「出来ない理由」を自分ではなく他者になすりつけている可能性があるのです。
「私はちゃんと教えたけど、あの人がやらなかった」
「私は注意したけど、あの人は守らなかった」
「あの人は、仕事の出来ない人なのだ」
このような思考に囚われた時点で、あなたも「出来ない人」になっている可能性があります。
私自身、「出来ない人」だからこそ、自戒を込めて記事にしている状況です。
「諦めてしまって、チーム力を高めることが出来ない人」なのです。
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「出来る・出来ない」の尺度は、あくまでも私たち一人ひとりの中にある「自分のものさし」で測っているに過ぎません。
その「ものさし」の長さを決めているモノが、あなたの価値観や考え方です。
「出来ない人」と決めつけていた人を、もう一度よく観察してみましょう。
可能なら、多くの人の視点を借りて、その人を見てみましょう。
「出来ない」に隠れていた「出来る」を見つけることが出来たのなら、あとは、あなたが先に諦めないことです。
こんこんと、説得する。
こんこんと、納得させる。
こんこんと、出来るまでやらせてみる。
いつしか、「出来ない人を出来る人に出来る人」になっているかもしれませんね。
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ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。
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