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2022年5月、インドネシアの断食明け大祭(レバラン)長期休暇が最長10連休に!

断食明け大祭(レバラン)とは

「レバラン」とは、「ラマダ(ー)ン」と呼ばれる断食月後の大祭のことです。レバランはジャワ語に由来する言葉で、アラビア語では「イード・アル=フィトル」。ですから日本人であれば「イード」という人もいます。イスラム教の中で最も大きな行事の一つで、日本で言うところのお盆か正月・・もしかすると、「盆と正月が一緒に来たような日」と言えるかもしれません。

ラマダン最終日の夜は家族や親戚が集まって食事を取って祝い、レバラン初日となる翌日の早朝は、地域の人々がモスクに集まって、盛大な集団礼拝が行われます。休みの間は帰省する人が多く、渋滞が社会問題となっている首都圏の道も、この時ばかりはがらがら。行楽地は混雑しますが、道中は快適です。

インドネシアでは「レバラン休暇」を例年2日間設定しています。いわゆる国民の祝日なので、イスラム教徒でなくても、みんなお休みです。

とはいえ、コロナ禍真っただ中だった2020年、2021年のレバランは、非常に寂しいものでした。集団礼拝ができないわけではありませんでしたが、やはり色々と制約があり、それまでと同じとはいかなかった地域も多かったようです。

それに、レバラン休暇前後のCuti Bersama(チュティ・ブルサマ:有給休暇消化推奨日)が通常ほど多く設定されませんでした。長距離移動が厳しく規制されたこともあり、恒例の帰省を取りやめたり、前後にずらしたりした人もたくさんいました。

※チュティ・ブルサマ:
主にレバランや年末の休暇が大型連休になるよう、インドネシア政府により設定されます。公務員は休日となり、会社員は有給休暇を取ることが推奨されますが、休むかどうかは任意とされています。ただ実際は、大胆に連休にしてしまう会社もあるようです。

みんなが楽しみにしている長期休暇がなくなって、早2年。

今年のレバランはどうなるのかというと・・。

インドネシア政府、レバラン10連休を推奨

2022年のラマダンが始まった4月、大統領から今年のチュティ・ブルサマに関する発表がありました。

それによると、2022年のレバラン休暇は5月2日(月)と3日(火)。4月29日(金)と5月4日(水)~6日(金)がチュティ・ブルサマ。土日を入れると、最長で10連休です。

これに加えて大統領は、首都圏から地方への帰省を禁止としない旨を述べています。その代わり大規模な交通規制はあるのですが、いずれにせよ2年連続で帰省できなかった人たちにとっては朗報です。

チュティ・ブルサマ復活には、観光振興という目的もあるでしょう。私は旅行が好きなので、この2年間、近郊のホテルに数回泊まっていますし、気になるホテルの料金を時々チェックしています。そこで調べてみたところ、首都圏にある多くのホテルが、もはや去年までのような破格の料金設定をやめているようです。10連休で、観光産業も活気を取り戻せるでしょうか。


インドネシアにいる日本人には色々な立場の人がいますから、レバランやチュティ・ブルサマの影響は人それぞれです。

例えば会社経営者なら、レバラン前は従業員にボーナスを支払う必要があります。ベビーシッターや’家政婦、ドライバーを雇っているなら、いつも頼みにしている彼ら・彼女らが帰省してしまうというピンチが訪れるかもしれません。会社員なら、日本からの仕事はどんどん来るのに、インドネシア側がほとんどストップしてしまうという状況の板挟みになる人もいるでしょう。

参考資料:


執筆:鈴木理美


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