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インドネシアの年末年始、今年の休日は2日だけ?

年末年始、インドネシアで祝日扱いになるのは、1月1日のみです。

ええっ!それだけ!?と思いますよね。そうなんです。とはいえ実際は、前後も何日か休暇にして、連休とする企業や学校が多いようです。国民の祝日となっている12月25日(クリスマス)に加え、いつもなら12月24日も政令指定休日(休暇奨励日)となるので、長い人はクリスマスと年末年始をくっつけて、大型連休にします。

インドネシアでクリスマスが国民の休日とは、意外に思われるでしょうか。国民の約87%がイスラム教徒であるインドネシア(外務省インドネシア共和国基礎データ)ですが、キリスト教、ヒンドゥー教、仏教の祝日も国民の祝日に定められているんです。キリスト教徒が特別多い地域でなくても、都市部のモールに出かければ、クリスマスイルミネーションやクリスマスツリーの装飾を見ることができます。日本と同じように、カフェの店員さんがトナカイの角のカチューシャを付けていたり、デリバリーの配達員さんがサンタさんの格好をしていたりもします。

しかし、残念ながら、今年は12月24日の「政令指定休日」が取りやめになりました。インドネシア政府が、大型連休中に新型コロナウイルスの感染者が増えることを恐れたためです。さらに、11月末の段階では、12月24日から1月2日までの間、大型イベントの開催禁止、公務員・民間企業の従業員共に有給休暇の取得延期、不要不急の遠出の自粛などが要請されていました。これについては、NHKの国際ニュースでも取り上げられています。

つまり、政府の要請に従うなら、2021年~2022年の年末年始休暇は、1月1日(土)と1月2日(日)の2日のみということになります。インドネシアには振替休日がないので、祝日が土曜日になっているからといって、月曜日まで休みになったりはしません。

ただし、12月15日現在、この時の大臣からの発表の一部はすでに変更されていています。国民からの反発が思ったよりも強かったのかもしれません。

ですから、今後どのようになっていくのか、いまだにわからないという状況です。12月10日の在インドネシア日本国大使館からのお知らせにも、「(年末年始の社会的行動制限に関する)同大臣指示の内容には不明な点も多く、各地方政府や関係省庁の今後の対応を注視する必要があります。」とあります。

インドネシア在住の日本人の中には、自分や配偶者の休暇が何日になるかという問題の他に、子どもの学校がどうなるのか、自らが雇っている従業員やお手伝いさんやベビーシッターさん、ドライバーさんはどうするのかなど、考慮すべきことが盛りだくさんという人もいます。ですから、「早くはっきりして!」というのが、多くの人の本音ではないでしょうか。


さて、日本人にとって大晦日や正月というのは、一位、二位を争う大イベントですね。でもインドネシアの年末年始は、そこまで大きな意味はないように見えます。そもそも、1年の中で「正月」は他に3回あるのです。中国の正月「イムレック(春節)」、ヒンドゥー教の正月「ニュピ」、そしてイスラム教の正月。それぞれの国民がそれぞれの宗教やルーツに従い、新年を祝います。

1年に4回訪れる「正月」の中でも新暦の正月は、宗教とは関係なく、全員で楽しめるお祭りです。

今年も去年に引き続き、大型イベントのない大晦日になります。それでも、道端で売られている手持ち花火や爆竹、「テロンペット」と呼ばれる鳴り物などを買って、焼きトウモロコシや焼き鳥を作り、家族や友人とにぎやかに過ごす人が多いでしょう。正月だって、政府にいくら出歩くなと言われても、近場に遊びに行く人が多いのではないかと思います。


それではみなさん、良いお年を。

執筆:鈴木理美

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