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言葉と音楽、音楽と糖尿病。

今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかな
飛び込んで行って太陽を掴む
(サニーデイサービス『春の風』より)

もう3年近くも前になるのか~
2020年11月21日にぴあアリーナで行われたフェス「BAYCAMP」でサニーデイサービスがこの『春の風』を演奏し出したときのこと、目の前にいた若い女の子が発狂したのが忘れられない(突然、熱狂的盛り上がり出したってことね♪)
 
それ見てたわたし、嗚咽してしまったんですよ!
 
ロックミュージック+刺さる言葉+エモい光景=予期せぬ慟哭😂
 
「美しいものを見るときに使うのは、目だけでしょう?音楽を聴くときに使うのは耳だけでしょう?しかし、性行為は目も耳も鼻も舌も触覚も、刺激を受けて五感がいっぺんに楽しくなるのです。だから人は、とことん性行為に執着してしまいます。おまけに『子孫をつくりたいから』なんて嘘までつくのです」
(アルボムッレ・スマナサーラ『怒らないこと 2』サンガ新書より引用)

他の本は要らないとすら思える


快感の原泉(欲望?)って結局のところ「五感」にあるみたいですが…

音楽はダイレクトに耳がよろこんだり(あるいは拒否ったり)するわけでしょうが、では言葉、文字、文章などから快楽を得るってのはどういうことなんだろう?ダイレクトな視覚や聴覚、嗅覚や触覚には、あらかじめ敵わないよね?そういう疑問が生じてしまいます。

『小説宝石』2023年8月号(光文社)で、
「『音楽』のある景色」という特集を組んでて、それぞれよかったんだけども…

「音楽」の引力ってあるよね!
オフコースの記憶で出会えた♪

特に宮下奈都さんの『世界への扉を開ける』に目が止まった。中学一年生の冬、お父さんの新しいステレオで、夜のFMで聴いた、オフコースの『さよなら』で自分が変わり、今でも一瞬であの夜に心が舞い戻れる話に、同じ体験をしている人がいた!という驚きと喜び!

嬉しさが特別なのは、この体験を共有できるにはいくつか条件があると思っているから。

それは1979年、オフコースの大ブレイク前夜という「あの日あの時」の時代のことがまずあって、冬(空気の澄んだ)、ヘッドホン(深夜)、FM(ラジオなのにAMと比べて音が良いという相対性)、そういった環境に…

「その夜、ラジオの番組でアナウンサーが何か喋ると、すぐに曲がかかった。イントロの短いギターのフレーズが流れただけで、鼓膜に電流が走ったような衝撃を受けた。そして、最初の歌声を聴いたときに、感電してしまった。それがオフコースの『さよなら』だった」(P93より引用)

わたしの場合は『愛をとめないで』だったんだけど(実は。でもサウンド的にも、ほぼ同様だと思う)にしても宮下さんが書いてるように、歌詞やメロディ、小田さんの声、すべての要素が完璧に相まって。ロックってこんなに綺麗な音で、感覚に迫ってくるんだ!という衝撃だった。


月曜日、アート・ペッパーの『ジ・アート・オブ・ペッパー』を聴きながら帰った。ジャズを好きになりたくて、いろいろ試してみてるんだけど、アート・ペッパーの音が迫ってくる感じがして何かいいなと。

で、冊子の解説を読んでみたら、このアルバムってマイナーレーベルのオープンリール(テープ)に収められていて、最初はテープでリリースされたらしい。LPレコードがやっと普及し始めた時代で、そもそもオープンリール用のテープレコーダーを所有してる人も少ないという、カセットテープが登場する、まだずっと前の話。その時代にテープのみでの発売という、当時でも珍しく貴重なものだったらしい。

そういった1957年頃の音楽再生技術?の状況は、解説文を読んで知れることだけれども、そういうこととは関係なく、生きた音か鳴っていて、息づいた演奏が伝わってきてダイレクトに鼓膜を震わせるのが音楽なわけで(それに何と、今こんなに時を経たというのに、サブスクと同時にだけど、カセットテープで聴くのをまた、楽しみだしてるんですよね!驚くべきことに😂)

年を取ればとるにつれ、肉体が本当に死んじゃう存在だと認めざるを得なくなるにつれて、「昔」って無いんじゃないかって思えてくる。これ精神的なことを言ってるのでもなく。すべての音を、すべての昔を今に浮上させる。浮上する。懐古ではなく。信仰とか宗教ではなく。

音楽は永遠?というか、常に「今」だ。

昔って、概念ではないですか?だっていつだって常に「今」なわけだからね。昔すら今なんだ。それって「希望」じゃないですか?いや、違う。そもそも「失望」も「絶望」もなかったんだ。時間っていう概念が生みだした、ただの錯覚だったんだ。

とか考えてたら、生まれる50年前の大正5年(1916年の慶応高校!)も今だと感じることができた。

それでは言葉は変換装置?再生装置?(五感ではないので)いや、発話とかイメージ化によって感覚にダイレクトに伝わる、生きた行為なんだろうな。こっからまた、改めて言語学の本とか読んでみる必要があるって思えてきた(こーゆーの書いてると、やっぱ無知を晒すようでマジ恥ずかしいですな😂)


コロナ前も、コロナでも(うがいに手洗い、マスクのおかげで?風邪をひかなくなったとか)「俺のエビデンス」(©️岩田健太郎さん)は、それに限らず様々あった。

にしても、運命とか偶然って、とことん不思議だなぁと思う。

コロナでもって2020年の5月くらいから、半ば強制でクルマ通勤になったんだけど、それと同時に朝のカフェラテ(ファミマに寄って買う)も習慣になり、糖分良くないだろうなと思いつつ、3年近く飲み続けてしまった。しかも最後の半年は毎日の149円がばかにならないと気づいて日曜日にスーパーで安くて多いのを5本まとめ買いして冷蔵庫に入れておくようにしていた(今さら見てみたらカロリーも糖質も割増しで『節約志向で…』って俺のことだった!)

167kcal 19.5g(ファミマ)
168kcal 27.2g(スーパー)

朝食分のカロリーだった😂

「絶対的に健康によい食事法とか、絶対的に悪い方法とかはありません。だから、「いろんなものをバランスよく食べる」「1つの食品、食材に固執しすぎない」ことが大事になるのです。そういう意味では、極端な糖質制限はやはりリスクが大きいので、仮に糖質制限をするにしても、緩やかにやるのが大事だと、ぼくは思います」
 (岩田健太郎『安い・美味しい・簡単 実践 健康食』光文社新書より引用)
 
糖質制限は正しいのか悪いのか、本当のところはよく分かっていないんだなと思わせてくれたのは岩田健太郎さんなんだけど…
 
「たとえば、ぼくは靴下を履いて寝る習慣があります。足を冷やしたままにしていると風邪をひくからで、靴下を履くと風邪をひきにくくなり、やめるとてきめんに風邪症状が出てきます。再現性が繰り返し示されているので、「俺のエビデンス」としては十分なのですが、他人におすすめできるかどうかは分かりません。事実、隣で寝ている奥さんは、靴下なんか履かずに寝ますが、風邪をひいたりしません」
(岩田健太郎『安い・美味しい・簡単 実践 健康食』光文社新書より引用)
  
この俺も同じ!な「俺のエビデンス」についても言及してくれてたり、信頼性はたかいんだけれども、改めて糖質について読んでみると中途半端な印象が残るなぁ。

こういった古めの本も…
もはや「俺のエビデンス」
私もこんな感じで正常化した

こういった10年近く前の雑誌(宝島社のムックだけど)だって、もはや言ってみりゃ「俺のエビデンス」みたいなものだと思うんだけど、まったく同じような体験したのがこのわたくしなのであります(その時点で予備知識や情報などまったく無しに)

それで気になったのは、ここの『note』で、糖質制限は止めました!みたいな記事があって、そこに貼られてて知った動画なんだけれども…

https://youtu.be/fyz5VMSYa7Q?si=5DasMCGOSLX31kNG
 
武井さん「糖質制限?や~め~た方がいいって!」みたいなトーンで、力を込めて言うじゃないですか。

発話にエモーションが乗っかってるんですよ。それは言わば、音楽に近いんですよ。

https://www.youtube.com/live/edYQfK6CYFE?si=_mp_fVGBDsHf10Jn
 
DaiGoさんもやっぱり同様で「音楽」(リズム)な要素が独特にあって。それに加えて随分と「俺のエビデンス」が軽んじられてるな~って思う。

「すなわち、ATPの需要がない状態では、同じカロリーの数値であっても、糖質は『太りやすいカロリー』なのである。もちろん、トータルでの摂取オーバーが長期間継続するようなら、糖質の有無にかかわらず肥満にはつながるであろう。しかし、体質の違いや量的な摂取限度はあるものの、短期的に見れば脂肪とタンパク質は、糖質とセットになっていなければ『太りにくいカロリー』であるといえる」
(大平万里『「代謝」がわかれば身体がわかる』光文社新書より引用)

2017年8月20日初版1刷発行

けっこう前の本になってしまってるけれども、今やこれがスタンダードになって久しいですよね?(しかし光文社新書の数々よ✨)

武井壮さんのおっしゃってる内容については、下にぶらさがってるコメントにあるように、まずは武井さんのご経験もそうだし、相談される方たちの状況とか、つまり前提によって変わってくるでしょ?という話で。

なのでここでわたしが言いたいのは、「音楽化された言葉」の伝わりやすさ(エモの喚起性)とか、その弊害(危険性)みたいなことです。ゆるやかにでも、せっかく続けられていた人が、場合によっては良くないって方に一気に揺り戻されてしまわないかとか。

こういうのに感化されやすい😂
(『週刊現代』8月12・19日号より)

あれが問題これも問題とか、特に病気に関わる話をするので慎重になる必要があるけれど、学び続けながら、自分を疑いつつ試行錯誤しつつ、できる限り人と対話をしながら自分をアップデートしていきたいです。

還暦も見えてきた五十のオッサンを生きるのはわたしも初めてのことなので、病気になってもワクワクしています!

お忙しいなか読んでいただき、
まことにありがとうございます。
夏の疲れが出る頃です。
引き続きお体に気をつけてください。

ご意見・ご感想などありましたら、
今後に生かしていきますので、
よろしくお願いいたします。


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