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社長は水槽を作る。

仕事が無いときにどう仕事を作るのか。

親の仕事を継いで20年近く。経営というものに対して特にこれといったノウハウもなく、そして親に教えられたということもなく今の今まで来てしまった。目の前に積もる仕事をひたすら片付けるだけの毎日。人数のいない会社ということもあるけど、それよりも現場にいたいという気持ちの方が強いのかもしれない。仕事が大量にあったときはそれでも良かったのだけども。

社長には社長の仕事がある。仕事を途切れさせないというのは最も大事な仕事だし、社員の働きやすさを提供するということも同じくらい大事な仕事だし。でも、結局は資金を安定させるということが仕事のほとんどなんじゃないかと思う。

コロナの影響で続いていた仕事が途切れ、業界は色々と形を変えてコロナ前のように大きく求められることはなくなってしまった。今後の状況でまた変わるとは思うし、自分たちの技術が求められなくことはないと思う。でも、少なくとも今は仕事が無い。

仕事が無いというのは語弊があって、正しくは仕事の単価が上げられない状況が続き、そしてもっと安いものに流れているということ。安い/高いで言うなら、それを選ぶのはお客の判断でこちらがとやかく言うことではない。問題は「安くて高品質のものを短納期で求められ、難色を示すと他に流れる」という状況から、仕事が無い会社が無理して安く仕事を受け自分たちの首を絞めている。これはコロナ前から業界内でよくあることで、コロナで更に強くなったという印象。東北の地震後にもあったな。

他の業界がどうなっているかは知らないけれど、私のお付き合い界隈でいうと90年代あたりの仕事単価より現状維持どころか二桁%レベルで下がっているものもあるし。機械作業と比べられて手作業の単価を下げてくる。結果、無理な残業…を社員にはさせられないから私が残業でどうにかするということもあった。

最近、適正価格の相談がどうこうとかラジオCMで聞いたけど、そんなことはもちろんやっていたよ。でも、それをやる度に中間業者は微妙な返事をして上の会社には全く話を通していないなんてのはザラにあったし、それでも食い下がると取引先を変えられるだけということも経験済みでして。

そんな中、私は水槽を作っている。そこらへんの話はまた今度。

今日は疲れたので帰ります。利益を産んでいないときの帰宅は本当に滅入る。家族に申し訳なさしか無い。その一方で終わってたまるかという気持ちもまだ持ち続けている。頑張れ俺。頑張れみんな。頑張ろうぜ!!

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