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一曲すら集中して聴けない世代との感覚ギャップと考え方

注目度の低下

今の10代や20代の若者は、一曲を最後まで聴くことができないといわれています。彼らは注目度(注意を向ける力)が低く、すぐに飽きて次の曲にスキップしたがる特徴があります。これはデジタルメディアの発達により、好きな曲を簡単に選んで聴ける環境に慣れ親しんできた結果だと考えられます。

例えば、スマートフォンの音楽アプリでは、気に入らない曲はすぐに次の曲に切り替えられますが、CD(コンパクトディスク)だとそうはいきません。曲順通りに聴くしかなく、気に入らない曲でも我慢して聴き切る必要がありました。ストリーミングサービス(インターネット経由でコンテンツを再生)の登場により、ユーザー主導の曲の選択が可能になったのです。

多重作業の習慣

また、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などを利用していると、常に新しい情報に気をとられます。1つの作業に集中するより、多重作業をこなすことに慣れているのかもしれません。

音楽を聴きながらSNSをチェックしたり、勉強をしようと思ってもなかなか集中できない、といった経験は若者にとってはごく普通。以前は1つのメディアに集中することが当たり前でしたが、デジタルデバイスの普及によりその状況は大きく変わった。

感覚の違い

私たち中高年は、こうした若者の特徴を「集中力がない」と批判しがちです。しかし、人によって集中のされ方は千差万別。固定観念で判断するのは早計かもしれません。

ゲームをプレイしながらYouTube動画を見て、さらに友達とチャットすることが「集中力がない」ことには見えます。しかし、それぞれの作業に対して必要な注意力を配分し、全ての作業をこなしているのかもしれません。感覚の違いを認識することがなにより大切。

コミュ力の変化

最後に、コミュニケーション能力の変化について考えてみましょう。限られた文字数での文章表現能力は向上している一方、対面での会話能力は低下していると言われます。

例えば、LINE(ライン)のような文字主体のコミュニケーションが当たり前の環境で育った若者は、文章表現力は高いが、実際に人と話す機会が少ないため、会話能力が身につきにくいのです。このように、メディア環境の変化に伴い、私たちの能力や習慣は変容を遂げています。固定観念ではなく、お互いの違いを理解し合うことが大切だと思います。

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