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日本で評価されているからといって海外でも評価されるとはかぎらない時代。

今日は少し難しい話題になりますが、グローバル化が進む中で、日本国内で評価されているものが海外でも同様に評価されるとは限らないという現状について考えていこうと思う。

1.グローバル市場における文化の違い

製品やサービスが国境を越えて展開される昨今、それぞれの国や地域の文化的背景による価値観の違いを無視することはできません。例えば日本人にとってはアニメやマンガが人気の娯楽ジャンルですが、一部の国々では猥雑なコンテンツとみなされる可能性があります。逆に海外で人気のゲームやドラマが日本人の嗜好に合わないケースもあるでしょう。

2.需要の違い

日本の人口は約1億2600万人ですが、世界全体では78億人を超えています。需要の規模が全く異なることから、日本で人気の製品がそのままグローバルでヒットするとは限りません。例えば日本人に人気の家電製品は、世界的に見れば無名のニッチ領域の製品になることさえあります。

日本国内で高い人気と売上を誇る製品であっても、それが現地のディストリビューターの興味を引くとは限りません。現地のニーズを無視した一方的な販売努力では、市場への受け入れは難しくなります。ある自動車メーカーが従来の日本車を海外に売り込もうとしたところ、現地ディストリビューターから"日本人に合った車は現地の人には不要"と一蹴された例もあります。

一部の日本人経営者の間には、適切なディストリビューターの選定や現地での市場調査にもコストがかかるという認識が希薄です。現地の事情を熟知していないが故に、安易にグローバル展開を試みてしまい、多額の損失を被るケースも少なくありません。

3.マーケティング戦略の違い

日本で成功したマーケティング手法が海外でも同様に有効であるとは限りません。言語、文化、流行への理解が不可欠で、的確な現地化が求められます。日本での人気キャラクターを起用したキャンペーンが海外では全く説得力を持たない可能性もあります。

4.法制度の違い

食品、医薬品、化粧品など一部の製品分野では、日本と海外の法制度にギャップがある場合があります。日本国内で許容される成分が海外では使用禁止になっていたり、規制が異なることで製品の市場投入に影響が出る可能性もあります。

5.グローバル視点の欠如

日本企業の中には国内市場に狭く視野を据えてしまうケースが多々見受けられます。日本で成功していれば良しとし、本気でグローバル展開を考えていない企業は、チャンスを逃していることになります。たとえ日本で人気があっても、現地の実情を無視した安直な海外展開は、ディストリビューターの冷淡な反応に遭う可能性が高くなります。

まとめ

こうした状況を打開するには、グローバル視点を持つことが重要です。現地のニーズや文化を理解し、製品やサービス、マーケティングを現地化することで、国内で評価されているものを海外でも評価されるチャンスが生まれます。国内に成功しても、その先に目を向ける視野の広さが求められる時代なのです。


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