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すこし詩的なものとして

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言葉を書き留めていきます。
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#詩

[すこし詩的なものとして]0163 結局、寒いままで

結局触れたいのは 自分だと気づいた 君が嫌そうな顔をしているのに 気づいていて 気づいていな…

ケンヨウ
4日前
7

[すこし詩的なものとして]0162 夜明けに酔いながら

街の灯りがすでに消え 包まれた闇にぼくらは畏れる 静寂はゆるりゆるりと押し寄せて 胸の奥に…

ケンヨウ
11日前
19

[すこし詩的なものとして]0161 春の午後

柔らかい陽射しが降り注ぐのは 古びた板の上 まどろいが包む 窓辺に揺れるカーテン 風に揺れ…

ケンヨウ
2週間前
17

[すこし詩的なものとして]0159 幸せな午後

太陽が昇った 静けさは眠りから目覚める 世界はまだ眠ったままか 窓辺から世界を見る 静かに…

ケンヨウ
3週間前
26

[すこし詩的なものとして]0158 路をゆく

枯葉舞う公園のベンチ 静寂に包まれた 冬の陽射しはとても冷たく 頬を刺す風は容赦ない 街は…

ケンヨウ
1か月前
23

[すこし詩的なものとして]0157 冬の真夜中

凍てつく夜空に 冴え渡る月 静寂に包まれた街 街灯に照らされた雪 誰もいない公園 ブランコが…

ケンヨウ
1か月前
25

[すこし詩的なものとして]0156 孤独は影に隠れて

夜中の静寂に ひとりでベッドに横たわる 窓の外には 満月だろうか いや少し欠けている月が ぼんやりと光を帯びている その光は ひとりでいる僕の影を より一層濃いものにしてくれる か弱き男の 侘しさよ 何もできずに ただ天井を見つめと 天板の年輪が なんだか人の顔に見えてくる あなたの心は 深くもない闇に沈んでいく この沈みゆくベッドの上で 這い出る勇気も力もない なすがままに あるがままに いつまでも 変化の兆しを見るまでもない 夜は 月明かりの蚊帳に包まれる ただ祈

[すこし詩的なものとして]0155 さざなみ

なんだろう たまに急に 乾いた気がする かさかさに 潤いがなく 怒りっぽい 海に行くと やけに…

ケンヨウ
2か月前
29

[すこし詩的なものとして]0154 轍の上に落ちて溶けゆく

気がつくと 枝から何羽ものカラスが 飛び立っていった 遠くの空へ向かって 羽ばたいて 瞳に映…

ケンヨウ
2か月前
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[すこし詩的なものとして]0152 月の実り

履き慣れた靴の感触に囚われて 壊れて捨てようとしても 約束したわけではなく どうしても手放…

ケンヨウ
3か月前
19

[すこし詩的なものとして]0151 100マイル先の憂鬱

地下のホームがわからなくて ウロウロしながら 人の流れについてゆく 一度は降りた階段を また…

ケンヨウ
3か月前
21

[すこし詩的なものとして]0150 さよなら夕焼けの街よ

たぶん僕たちはなんとでもなるだろう でもね その選んだ道が本当によいのかどうかとても不安だ…

ケンヨウ
4か月前
32

[すこし詩的なものとして]0149 冬空のもみじ

言葉が糸を引くように あなたの背中に垂れている 匂いは残像 懐かしい首元の香り 惹かれるよ…

ケンヨウ
4か月前
36

[すこし詩的なものとして]0148 書き留める時と捉えて

太陽の下には いつも不幸があって 人を笑うように支配しているのを見た 人っていうのは 何ものなのか 本当に知っているのだろうか 短く空しい人の一生を 影のように過ごす人にとて 幸福がなんなのか 誰が知ろうか 空を駆ける鳥は 人を見て笑うだろう 耳元を忌嫌に飛ぶ虫は 人を見て笑うだろう 差し違えるように 私たちは見えない敵に 剣を差し 私たちは胸から血を流す 遠くで誰かの声がする それは記憶の言葉 語りかける価値もない 翻って 足元の花は 生きろをせき立てる なんだ