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分かりやすいガスライティングの手法

近年明らかになってきた虐待の手法「ガスライティング」。
以前もいくつか書いたので未読の方は参考までに。

簡単に言うと、ターゲットの自尊心や自己肯定感をじわじわと奪い、弱らせたところで自分が支配者となるように仕向ける精神的虐待です。
ただその内容は微妙でどっちとも取れるように仕掛けられるので判別が難しいという問題があります。
今回、実際に行われていたガスライティング(と思われる)行為をいくつか思い出したので書いておきます。

そんなの当たり前

自分が何かを言ったとき、軽く冷笑しながら「そんなの当たり前じゃん」と言う人。
個人的に、これは初期のガスライティングだと思っています。
まず冷静に考えてみてください。
当たり前のことを話したらダメなどという決まりはどこにもありませんよね?
なのに、どこか否定的に、あるいは侮蔑的に「そんなの当たり前」と言うということは、「当たり前のことを言ったらダメなんだ」「自分が話してることってつまらないんだ」「なんか恥ずかしいこと言っちゃったのかも…」と相手に思わせて、自尊心を削ろうとしています。
あと、これを言う人をよく観察してみましょう。
例えば「今日寒いね~」とか「天気いいね~」といったことには何も言ってきません。
一方で、自分の意見や認識を述べると「そんなの当たり前」と攻撃してきます。
つまり、相手の人間性にダメージを与えられる機会を選んで「そんなの当たり前」と言っているのです。
ですからこれはガスライティングだと僕は思っています。

誰でも知ってる

「そんなの当たり前」と同じ頻度で使われるのがこれ。
オタクのマウントの常套句としても知られています。
これも「そんなの当たり前」と一緒で、別に誰でも知ってることを言ったり、誰でも知ってる有名アーティストを好きになっても何も問題はないはずですが、なんか嫌な気分になる言葉です。
この場合、マニアックなことを知ってる自分の方が偉いという価値観を相手に押しつけてマウントを取ったり、自分の嗜好を植え付けたりするためのガスライティングなのでしょう。

知らないマウント

これはわりとNPD的なガスライティングです。
NPDについてはこちらを参照。

自分が知らない話が出てくると「知らないな~」となぜかめちゃくちゃ偉そうに言ってくる人、いますよね?
で、なんかその圧とか口調に押されてしまい、知ってる自分の方がおかしい、恥ずかしいといった感覚にさせられる……。
これもおかしな話で、そもそも知らない人より知ってる人も方がそのことにおいては上だし、偉いんです(だからといって偉そうにするのは違いますが)。
「知らない」を武器に上に立とうとするというのがもう意味不明だし、NPD的な認知の歪みが出ています。
でも、実際これをやる人って意外といるし、なぜかわりと高確率で成功するんですよね……

だから何?

口論での常套句です。
上記よりもやや戦闘態勢に入ったときに出てくる言葉ですね。
これもよく考えたら変な話で、ただ単に「自分はあなたの言っている内容が理解できません」と宣言しているだけなんですが、なぜか言った方がマウントを取りやすくなる魔法の言葉でもあります。
あと、「だから何?」と言って相手の余計な説明をさせて疲れさせたり、その説明の粗を探して攻撃したりするケースもあります。

ガスライティングのはじまり

こうした言葉を受けるようになったらガスライティングのはじまりだと思って、その相手を十分警戒し、よく観察するようにしましょう。
このレベルだとおそらくターゲットを選別している段階なので、ここでしっかり距離を取ったり反論できる場合は反論したり、逆にマウントを取るぐらいのことをしておくと恐らく相手は自分のことをあきらめて別のターゲットを探しはじめると思います。
逆にこれぐらいで萎縮した様子を見せるとターゲット認定され、そこからどんどんエスカレートしてくるので気を付けましょう。

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