【小説】「未来撃剣浪漫譚Anthology2」
こちらは八幡謙介が2023年に発表した小説の試し読みページです。
世界観をより楽しみたい方は「未来撃剣浪漫譚ADAUCHI」を先にお読みください。
それゆけ熊ちゃん「では、僕はこれで。茜ちゃん、凜ちゃん、また今度」
熊谷修はまだ稽古でほてった頬をぎこちなく緩めると、足早に芹沢事務所を後にした。
茜と凜はドアが閉まった瞬間無言で目を合わせ、二人同時に頷いた。
――ことの発端は数日前。
「ねえ凜ちゃん……」
茜は熊谷のために用意した大量のタイチャーハンを無理してかきこみ